嵐、コンサートの“本人確認”対策で「偽造身分証」!? 「立派な犯罪」とファン注意喚起
嵐のコンサート『ARASHI Anniversary Tour 5×20』が、4月13日と14日に愛知・ナゴヤドームで開催される。公演が間近に迫る中、ファンの間では入場時に行われる“本人確認”に高い関心が集まっている。SNS上では、身分証の偽造など危ない橋を渡らぬようファン同士で注意を呼びかけるなど、切迫した事態を迎えているようだ。
かねてより「チケットが取りにくい」と言われ、一時は売買サイト、ネットオークション、掲示板を通じて高値で販売されていた嵐のコンサート。チケット詐欺をめぐる事件も相次いだが、2014年頃からはジャニーズコンサート事務局が本格的な転売対策に乗り出した。売買サイトのチェックやファンの情報提供で調査を進めたのか、転売が判明したチケットについては公式サイト・Johnny’s netにて「無効チケット」の席番号を掲載。そのチケット分は再抽選の上でほかのファンクラブ会員に販売するとアナウンスしていた。
「転売防止の一環で、今回の『ARASHI Anniversary Tour 5×20』においては、入場時にチケットの名義人が本人かどうかを確認すると通達しています。4月上旬にもファンクラブ会員宛にメールが届き、入場ゲートではデジタルチケット(QRコード)に加えて、代表者と同行者の会員証、顔写真付きの運転免許証などの本人確認証明書の提示を求める旨が記されていました。自分の名義で当選しているのならば問題ありませんが、例えば身内や友人に名前と住所を借りた名義で当選した人や、Twitterや掲示板でチケットを入手した人が動揺しています」ジャニーズに詳しい記者)
もちろん、チケットは正規ルートでの購入が望ましいが、「どうしても行きたい」と願うファンは、他人名義のチケットを何らかの手段で手に入れてまで会場に入りたいと考えるだろう。そんな中、一部Twitterアカウントが4月8日に「嵐本人確認でお困りの方」として、インクジェットプリンターを使った「IDカード作成ソフト」を譲るとツイート。このソフトなら学生証、社員証、会員証、診察券も作成可能だといい、「お話聞いてもいいですか?」と食いつく嵐ファンの書き込みも見受けられた。
「当該アカウントとダイレクトメールでやりとりしたファンによると、ソフトは2万8,000円で譲渡、証明書作成を依頼する場合は1枚3,000円と提示されたとか。取り引きはフリマアプリなどを使って行う予定だったようです。その後、発信元はアカウントが消え、ツイートの閲覧もできなくなりました。一方、嵐ファンへ向けて宣伝しているわけではありませんが、身分証の作成は最低3万円と吹っかける業者がTwitter上に存在するようです。公演は13日とあって、焦ったファンがこうした謳い文句に乗っからないよう、SNSでファン同士が注意喚起している真っ最中です」(同)
過去にはAKB48の公演チケットを偽造身分証とセットで販売し、男3人が迷惑防止条例違反(ダフ屋行為)容疑で逮捕された例や、乃木坂46のコンサートでも偽造学生証を示し、入場しようとしたファンが偽造有印私文書行使の疑いで事情聴取を受けた一件がニュースになっている。
それだけに、嵐ファンからは「身分証明書偽造は立派な犯罪。嵐ファンは、こんなのにまで手を出し始めたんだね……」と嘆くコメントや、「皆さん、冷静になって。嵐の本人確認のために犯罪者にならないで」「詐欺かもしれないし、嵐のコンサートで犯罪者が出てしまったら悲しい」と、心配の声が続出。間違いを犯した場合の深刻度を強調するように、AKB48や乃木坂46の前例を挙げて釘を刺しているのだ。
また、先日は一部ファンクラブ会員を対象とした名古屋公演の「制作開放席」の販売を受け付けたが、1人につき「1公演・1枚まで」の申し込みだったため、「1人で行くのはつらい」「一緒に行こうと言い合ってた友だちを、裏切るなんてできない」など戸惑いの声が出ていた。今回のツアーは約1年かけて5大ドームを巡るもので、「嵐史上最大規模」と言われているものの、それでも多くのファンがチケットを手にできず、路頭に迷っている人も少なくないのだろう。
当日は入場の際の大きなトラブルもなく、定刻にコンサートが始まることを願いたい。