なにわ男子の“無臭さ”と、ジャニーズJr.新トリオに香る“ジャニーさん臭”に思うこと
その一方、『ザ少年倶楽部』からは、これ以上なくジャニー臭がプンプン漂っていた。しかも、残酷で危険な方向に。
このところ、ジャニーズJr.でジャニーさんがパフォーマンスに関して最も期待を寄せていそうに見えるのは、大人数グループの「少年忍者」から選抜した5人による「5忍者」だった。しかし最近は「5忍者」表記と、そのメンバーの一人でダンス隊長的な元木湧の姿をあまり見なくなっていた。そのため、5忍者から少年忍者に形態が戻っているのでは……という不安があった。
ところが、少年忍者とした登場した『ザ少年倶楽部』は、5忍者の川崎皇輝&内村颯太がシンメで赤衣装、ヴァサイエガ渉と北川拓実と、新たにブランデンの3人がピンクジャケット+赤パンツでトリオ形態になっていた。おそらく、ジャニーさんの最大関心事はこのトリオで、川崎・内村シンメは“やぶひか的”役割(フレッシュな面々を引っ張る年長者、まとめ役)になりつつあるのではないか。
気になるのは、5忍者の残るメンバー元木の所在である。驚いたことに、よく見ると、後列で黄色衣装を着た5人組の真ん中にいた。5忍者のメンバーで1人だけ明らかにポジションを下げられているのに、いつもと変わらず元気いっぱいの笑顔と、キレのあるダンスである。
「1人だけ仲間外れにする」のは、絶対にやってはいけないこと。世の母親が、我が子に教える基本である。でも、そんなイケズをナチュラルに悪気なくする場所こそが、ジャニー最前線だ。
それにしても、ジャニーさんの外国推しは凄まじい。新トリオに加わったブランデンといい、日本に遊びに来ていただけなのにステージのド真ん中に立ったキャメロンという少年もいた。しかし残念ながら、外国人枠はジャニオタウケが良いとは、ちょっと言い難い。先だっての“キャメロン事変”のときも、本人が悪いわけではないのに、「また出たよ」的な空気が漂ったことに、ジャニーさんはまったく気づかなかったのだろうか。気づかないのだろうな。
中にはSexy Zone・マリウス葉のように、家柄の良さと聡明さで、ジャニーズがこれまでなし得なかった分野で頭角を現す例もある。また、SixTONES・ジェシーのように、抜群の面白さで仲間内人気の高い例もある。
とはいえ、一般的な「オタ人気」はつきにくい。にもかかわらず、異常に外国人枠を推し続けることや、『ウエスト・サイド・ストーリー』を愛しすぎる理由の根底には、アメリカ育ちである自身の親近感というより、世代的・個人的な欧米コンプレックスがあるように思えてならない。翻って、ジャニーさんが「和の世界」に執着するのも、やはり欧米コンプレックスの強さの裏返しではないか。
80代になっても変わらず持ち続ける、こうした“思い”の濃厚なエキスが、いま“歌うまJr.”の北川と、ヴァサイエガ、ブランデンという、まだ名前のないトリオに注がれている。
(南山ヒロミ)