カルチャー
平成が終わる

皇室ウォッチャーが平成最後に選ぶ、「天皇陛下と皇后さま」胸震える4つのエピソード

2019/04/07 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
『天皇皇后両陛下 ともに歩まれた60年』(クレヴィス)

 4月1日、菅義偉官房長官により新元号「令和」が発表された。5月1日の新天皇即位の日より、「令和」の使用が開始されることになり、約30年続いた「平成」も残り1カ月を切った。そこで今回、皇室ウォッチャーX氏に、感動が胸に押し寄せた「天皇陛下と皇后さまの4つのエピソード」を語ってもらうことに。皇室を見つめてきたX氏が、天皇陛下と皇后さまが国民から愛される理由に迫る。

【その1】沖縄で火炎瓶を投げられた夜……異例の談話に込められた想い

 1975年に今の両陛下が皇族として初めて沖縄県を訪問されたことは、皇室の歴史的にも大きい出来事です。当時はまだ、沖縄県民の中で戦争責任がある昭和天皇への負の思いが強かった時期でした。両陛下が「ひめゆりの塔」に献花された際、火炎瓶が投げられ一同騒然となる事件が起きてしまったのです。陛下が素晴らしいところはここからで、その夜、陛下は異例の談話を発表されて「払われた多くの尊い犠牲は、一時の行為や言葉によってあがなえるものではなく、一人ひとり、この地に心を寄せ続けていくことをおいて考えられません」と、語られたのです。昭和天皇の負の遺産をご自分が行動で償っていくという強いお気持ちを現在も持たれていて、計11回も沖縄を訪問され、戦没者への慰霊も欠かさず行われています。

【その2】生前退位のお気持ち発表は、歴史の重大な1ページ

 2016年8月の天皇陛下の「生前退位」のお気持ち発表も、歴史的に大きい出来事でした。近代の皇室では、崩御によるお代替わりが通例で、皇室典範でも規定されている法律。しかし、陛下は数年前から退位の可能性を模索され、宮内庁関係者や皇太子さま、秋篠宮さまと話し合いを重ねられていたのです。確かに、ご高齢になってきちんと公務をこなせない場合があるにもかかわらず、天皇としての仕事をまっとうしなければならない制度に疑問はありました。今上天皇が今回の決断をなさらなければ、今後もずっと同じ制度が続いていたのかもしれません。陛下の思いが国民の同感を得られて成立した退位特例法は、間違いなく皇室の歴史の中でも重大な1ページとなったことでしょう。

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