量産型JK育成計画!? 男には“性的アピール”、友達にはとにかく“共感”と説く「Seventeen」
次に「新クラで即好かれる(ハート)新学期の“ツカミ”」を見ていきましょう。「ツカミ=芸人やタレントが観客の心をつかむネタ」を学び、クラスの人気物を目指す企画なのですが、ざっと見ただけで「捨て身の覚悟が必要」と身震いが……。
同企画には、“ツカミの達人”として、ゆりやんレトリィバァ、乃木坂46・秋元真夏、みちょぱこと池田美優の3人が講師として登場し、それぞれのキャラに応じたツカミを教えてくれます。
例えば、新学期の自己紹介。ゆりやん流は「よろしくおねがいします!」言いながら、エビ反りの動作で笑いを取りにいくそうですが、筆者は「NSCのネタ見せ?」と思ってしまいました。これを新学期の独特の空気間に包まれた教室で再現するのは、黒歴史を作る可能性が高すぎます。
また、先輩との付き合い方について、ゆりやんは大袈裟なジェスチャー付きで、「ほらみんな! 先輩の話を聞いて!」と、とにかく先輩を持ち上げることを推奨していましたが、「吉本仕込みの太鼓もち」としか思えません。一方の秋元は「教えてください!」とおねだりポーズで、部活などへの“熱心さ”をアピールすると提案していたものの、「さすが乃木坂46随一の“あざとキャラ”と呼ばれるだけはある」という感想しか抱かずじまいでした。
そんな中、みちょぱは「さっきはありがとうございました!」と、すぐにお礼LINEを入れ、「先輩の前では礼儀第一。信用されるコを目指す」という回答。みちょぱのアドバイスは、企画にかこつけた“自分アピール”をすることなく、的確かつハードルも低く、世代問わず参考になります。
お笑い風の痛々しい“ツカミ”で黒歴史を作るよりも、みちょぱ流の「礼儀、信用される人間」を目指すのが無難なのかもしれません。
全人類からモテるより、鍵をかけよう!
“新友とのファーストコンタクト=SNSの時代”という現代っ子ならではの企画「ヤバイものは新学期前に抹消! 好感度MAXなSNSアカに生まれ変わる 決定版・全人類からモテるアカウント」には、SNSのアイコンや投稿内容に加え、コメントに関してまで、“全人類”からモテるような指南がびっしり書かれています。
SNSのアイコン選びにも、縛りがあるST読者……。NGアイコンは、「プリクラのトリミング」らしく、「自分大好きかよ。絶対自己中」という理由で嫌われるとのこと。たかがアイコン一つでこの言われよう。辛辣すぎる言葉に、新学期早々不登校になりそうです……。反対に、モテアイコンは「おしゃれなモデル」で、「有名すぎない海外のブロガーやインスタグラマーなど、ツウな人選の方がポイント高め」らしいですが、後者の方がよっぽど鼻につくと思います。センスをアピールしてくる人は、何かと面倒ですよ!
続いて、インスタグラムへのNG投稿は、「におわせ写真」とのこと。「かまってちゃん」っぽさが嫌われる原因だそうです。嵐・二宮和也との交際をほのめかす匂わせ写真をブログに投稿し続け、嵐ファンだけにとどまらず、世間からも嫌われている、元フリーアナウンサー・伊藤綾子に届いてほしいです! ニノの洋服を映りこませた写真の投稿は、「かまってちゃん」の極みだけに、周りの目を気にしすぎるST読者の謙虚さを見習ってください!
この世代にとってのSNSは、友達との仲良しツールを超えて、自分をブランディングする材料の一つのようです。しかし、SNSの特集にもかかわらず、ネットリテラシーなどの基本事項は教えておらず、基本マナーとして挙げられているのは「友達の投稿にはすべていいね!」とのこと。いやいや、「悪口を書かない」「個人情報は非公開」これが基本マナーだと声を大にして言いたいです! 「全人類からモテるアカウント」よりも、炎上や犯罪に巻き込まれないことの方がよっぽど重要でしょう。
周囲から浮かないように、キャラ作りに励み、SNSでも空気を読んでコメントや投稿するJKたち。KYという言葉は死語になりましたが、より空気を読む風潮が強くなっているのではないでしょうか。「Seventeen」の言う「全人類モテ! 最強JK育成ケイカク」は、「他人の評価を気にして、『個性』『自分らしさ』を潰すケイカク」のように読み取れました。新学期に猫をかぶったって、1カ月もすれば、化けの皮が剥がれます。周囲の目ばかり気にして“量産型”とディスられる前に、己をさらけ出した方が、楽しいJKライフを送れるはずです!
(藤本なつき)