ヘイトクライムを自作自演した『Empire』俳優、オバマ前大統領の側近という“コネ”を使って不起訴に!
ちなみに、米ニュースサイト「The Hollywood Reporter」によると、ジャシーは最近、1話につき12万5,000ドル(約1,400万円)のギャラをもらっていたよう。十分に高額だが、これは主演のテレンス・ハワードやタラジ・P・ヘンソンが放送開始当初もらっていた額であり、2人のギャラは16年には25万ドル(約2800万円)までアップ。現在はさらに上がっている可能性があり、ジャシーが「自分も主要キャラクターなのに!」と不満を持っていたとしても不思議ではない。
逮捕されたジャシーは一貫して無実を主張。21日に保釈金の一部を支払って釈放されると、すぐに『Empire』撮影現場へ行き、迷惑をかけていることを謝罪した上で、自分は無実だと訴えた。3月13日、ジャシーが登場するシーンをカットしないまま、『Empire』最新エピソードがオンエアされた。20日には、番組クリエーターのリーがインスタグラムに「(撮影現場では)みんなどうしたらよいのかわからず、戸惑っている」と、ため息をつく動画を投稿した。
ところが事態は26日、急展開を見せた。ジャシーに対する16の重罪すべてを取り下げたと、米イリノイ州クック郡の検事が発表したのだ。検事は「自作自演の疑いが晴れたわけではない」としながらも、ジャシーが社会奉仕活動を行い、1万ドル(約110万円)の保釈金全額没収に応じたと、不起訴理由を説明。ジャシーの弁護士チームと長い間交渉を続けた結果だとも明かした。
つまり「取るに足らないケースをいちいち裁判にかけていたらきりがないから、司法取引した上で起訴を取り下げた」ということらしいのだが、大々的に報じられてきた事件だったのに、あっさりと起訴を取り下げたことに多くのアメリカ人が違和感を抱いた。シカゴのラーム・エマニュエル市長は、売名行為目的で当局を振り回したジャシーの不起訴について、「公正ではない」と激怒。シカゴ警察も思わぬ結末になったことを市民に謝罪した。ちなみに、判事は今回の案件に関する資料を封印しているため、一般市民が真実を知ることは不可能だという。一方のジャシーは、自分を信じ応援してくれた家族、友人、ファンに感謝し、自作自演はないと改めて主張。「すぐ仕事に戻り、前に進みたい」と、ポジティブな姿勢を見せた。
今回の不起訴について、なぜ警察、検事、市長までもがジャシーを「クロ」と見なしているのに、不起訴となったのか。その理由は、オバマ前大統領の夫人の首席補佐官だった弁護士ティナ・チェンにある。米ニュースサイト「Chicago Tribune」によると、ティナはジャシーの家族の友人であり、どうにかしてくれと頼まれた。そこで、顔見知りであるイリノイ州クック郡の検事にジャシーの起訴を取り下げるよう頼むため、接触。やりとりしているメールもスクリーンショット付きで報じられた。ネットは、「コネがあったから起訴されず、詳細も公開されないよう封印できたのか」「結局はコネなんだね。アメリカは本当にフェアな国じゃないな」と大炎上している。