有村藍里の美容整形で注目の「骨切り整形」とは? Dr.高須幹弥がメリットとデメリットを解説
骨切り整形は顔の印象が大きく変わるので、かわいくなったりイケメンになったりするメリットも大きいのですが、さまざまなリスクも伴いやすい施術です。藍里さんが行った3つの施術をメインに、骨切り整形で起こりやすいリスクをお話します。
まず、軽度のリスクとしては、顔を短くすることで、余った脂肪や皮膚がたるんでしまうことが挙げられます。施術時や腫れが引いたあとにフェイスリフトで改善することもできますが、フェイスリフトを受けることで傷も料金も増えてしまうのがネックですね。それと、頬骨やエラの張りは、たるみのストッパーになっているので、頬骨やエラを削ると、年齢を重ねたときに本来の顔よりたるみやすいというリスクもあります。
「ルフォーⅠ骨切り」や「SSRO」など、上下顎骨を切る手術では、施術がうまくいかないと上下の歯のかみ合わせが狂ってしまうというリスクもあります。そのようなリスクを下げるためにも、歯科矯正と併用するのが望ましいでしょう。
それから、骨切り整形では神経麻痺を起こすことも非常に多いです。顔面の神経が麻痺して、表情が動かなくなったり、顔の感触がなくなったり、永久的にしびれが残るケースもあります。一定の確率で起こるので、当院では事前にしっかり説明をしています。あと、稀にではありますが、骨切り整形は大量出血を伴うこともあるので、輸血できる設備が整っている病院を選ぶことも大切ですね。
そして、骨切り整形でもっとも重度なリスクといえるのが、死亡する可能性があること。美容整形の中で最も死亡事故の多い施術が、骨切り整形とおなかの脂肪吸引なんです。骨切り整形はなぜ死亡リスクが高いかというと、施術箇所によっては術後しばらくして首周辺に血が溜まることがあり、それによって気道が圧迫されて窒息してしまうから。
以前、韓国で骨切り整形を受けた患者さんが、宿泊先のホテルで亡くなったニュースがありましたが、実は日本でも起きていて、示談によってニュースになっていないだけで、似たようなケースは多いんですよ。とはいえ、入院していれば死に至る前に処置ができるので、骨切り整形を受けるときには、入院施設のある病院を選ぶということが、死亡リスクを下げる策といえるでしょう。
ちなみに、骨の固定に使われるプレートやワイヤーなどは、いずれなくなる吸収性のものや、高品質ステンレスやチタンなどの素材のものがほとんどなので、きちんとした医師による施術であれば、経年劣化やMRIが受けられないなどの心配はありません。
骨切り整形のような大掛かりな手術を受ける際は、リスクを十分に理解した上で、本当に受ける必要があるかを考えるとともに、万が一のときにきちんと対応してもらえる病院か、カウンセリングでしっかりと確認するようにしてほしいと思います。
高須幹弥(たかす・みきや)
美容外科「高須クリニック」名古屋院・院長。オールマイティーに美容外科治療を担当し、全国から患者が集まる。美容整形について真摯につづられたブログが好評。
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