「旦那とセックス観が違った」新婚早々“上司と不倫再開”の新妻が、婚外恋愛を悪びれないワケ
しかし、結婚後わずか数カ月で、麻美子さんは独身時代に交際していた上司とよりを戻してしまう。その理由は「旦那とはセックス観が違った」からだそうだ。
「そもそも、旦那を恋愛相手としては見ていませんでしたから……将来、長い目で見て、この人とだったら『別に一緒にいてもいいかな』っていうくらいで。一緒にいて、嫌じゃないんですよ。同じリビングにいて、旦那はスマホをいじり、私はテレビを見ている。同じ空間にいて、全然別のことをしていても嫌じゃない。でも、ふと『カフェにお茶しに行こう』って誘ってくれる、その距離感がとても良いんです。たぶん一生旦那とは、こんなつながり方ができるなって……でも、恋愛ではないんです」
まだ恋愛から卒業できない――そう感じた麻美子さんの頭に真っ先に思い浮かんだのは、かつて交際していた上司だった。
「勝手を知ってるから、楽ちんなんですよね。彼とは1年近く不倫関係を続けていましたから、会うタイミングや連絡して良い時間帯なんかも、わかるんです。それに、私が気持ちいいと思うセックスもわかっています」
感情論で言えば、本当は結婚なんてしたくなかったと、麻美子さんはこぼした。
「でも、旦那との生活は幸せですよ。おばあちゃんになっても旦那とだったら平和に過ごせるなって自信があります」
麻美子さんにとって、上司は最愛の人なのだろう。しかし、相手に奥さんがいたことでその思いが実らなかった。そう思ったが、続けて麻美子さんはこんなことを言い出した。
「ただ、上司とは長くて今年いっぱいですね。旦那がそろそろ子どもを欲しがっているんで」
そうあっさりと言い切る麻美子さん。驚いて、彼女にとって上司との婚外恋愛は何かを聞いてみた。すると麻美子さんは、またしても淡々と話す。
「恋愛というか、“疑似”恋愛じゃないですかね……。家庭でセックスも恋愛もガッツリってなると、疲れちゃうじゃないですか。ムダ毛の処理もしないといけないし、ウンコだってするし。旦那に男を感じすぎていたら、恥ずかしくてできませんよね。でも上司の前だと少女マンガの主人公みたいなセリフも言えちゃったりしますから、非日常体験かな。上司が好きというより、非日常体験が好きなのかもしれません。きっと、上司もそうだと思いますよ」
麻美子さんは、将来を見据えて結婚をし、その裏で、婚外恋愛による「ストレス発散」をしているのかもしれない。ある意味、堅実な彼女は、たぶん自身の近い将来の道筋も見えているのだろう。
(文・イラスト/いしいのりえ)