ホストに月200万円使う女は、どんな接客を受けるのか? 究極の接客「本営」の実態
話を戻そう。アミと担当ホストの旅行先は箱根。伊豆。那須。伊香保。温泉街ばかりなのは、おそらくアミの担当の趣味だろう。そういう「お金を使ったお礼」が月1回くらいのペースで実施される。アマゾンだってしょっちゅう感謝祭をするので、それと同じ道理かもしれない。
そんなこんなで、毎月の旅行が当たり前になった頃、アミに次の「変化」が訪れた。ある日担当からこう告げられたという。
「何もしてあげられないかもしれないけれど、付き合おう」
ホストの本気接客の極み「本営」のスタートである。本営とは、「本命(彼女)営業」の略である。アミが担当ホストにとって「本当に本命かどうか」は問題を大変ややこしくするので、いまは置いておく。またどこかで機会があれば、書こうと思う。
「担当ホストと一緒に住むことになった」
アミからそう聞かされたのは「本営」が始まってから3カ月後のことだった。そのころアミは毎月150~200万円を安定して担当へと使うようになっていた。
余談ではあるが、とある売れっ子ホストが「同時に3人までとは同棲できる」と豪語していた。普通に聞くと意味がわからないが、つまり、各家に週2日ずつ帰るのだそうだ。お客と過ごす時間を全て仕事と換算するのであれば24時間365日仕事をしているようなものである。リゲインもびっくりだ。
アミが担当と週何日一緒にいたのかは定かではないが、ともかくアミは「同棲彼女」になった。旅行の頻度は減ったけれど、担当ホストの実家へも何度か行ったそうだ。同棲しているから、たとえお店で放置されても何の不満もない。そう彼女は語っていた。むしろ、「彼女」だからこそ、お店では多くを求めない。冒頭で語った「どれだけ都合よくなれるか選手権」はこうして毎夜開催される。
そうしてホス狂い同士が戦っている間、担当ホストも、安心してまだ店外デートをしていない新規のお客に集中できるというわけだ。誰が考えたかは知らないが、よくできたシステムである。皮肉ではない。