「ザ・プロディジー」のキース・フリント、妻との別れが自殺の引き金に!?
1996年に発売したシングル「ファイアスターター」で世界的にブレークしたイギリスのテクノバンド「ザ・プロディジー」。そのフロントマン、キース・フリントが3月4日、イングランド東部のエセックスの自宅で遺体となって発見された。バンドリーダーのリアム・ハウレットはバンドの公式インスタグラムに「報道は本当だ。自分がこんなことを言うのが信じられないけど、オレたちの兄弟キースは週末に自ら命を絶った。怒りと混乱で、心がずたずたに引き裂かれた状態だ……R.I.P. お前のブラザー、リアムより」と投稿。キースが自殺したことを明かした。
今なおカリスマ的人気を誇るザ・プロディジーは、昨年11月に3年ぶりとなるニューアルバムをリリース。オーストラリアツアーを終えたばかりで、5月には10年ぶりとなる北米ツアーを予定しており、ファンを大喜びさせていたところだった。
キースとパブを共同経営していたディ・ベネットは、英紙「デイリーメール」の取材に対して、「キースはツアーの前は禁酒し、ランニングしたりパーソナルトレーナーと特訓したり。自制心のある男だった」とコメント。遺体となって発見される2日前、キースはエセックスの公園で行われた5kmランに参加し、パーソナルベストである21分22秒を記録。その日の昼には、パブでパーソナルトレーナーと機嫌よく話をしてる姿がパパラッチされており、自殺とは無縁の充実した生活を送っているように見えていた。
しかし、実はキースの私生活はボロボロだった。06年にキースが一目惚れをして交際を始め、同年のクリスマスにスピード婚した日本人妻のマユミ・カイから離婚を突きつけられていたのだ。
キースを「アルコール、ドラッグ、うつから救ってくれた」というマユミは、DJ、女優、モデルとしても活動していた美女。12年のザ・プロディジー15周年記念アルバムを引っさげたツアーではオープニングアクトを務め、キースは「美しくてクール」とベタ惚れしていた。
華やかな仕事をしている2人だが、プライベートではエセックスの田舎を満喫。過去のインタビューでキースは、たくさんの犬を飼い、乗馬やピクニックといった“ゆったりとした時間”を楽しんでいることをうれしそうに語っていた。
「デイリーメール」は、マユミが昨年末に家を出たと報じた上で、「キースはマユミとの復縁を望んでいた。彼女に何度も電話をかけて、やり直したいと訴えていた」「しかし彼女の意志は固く、家をさっさと売ってほしいと突き放した。その言葉に、キースはズタズタになってしまったんだ」「マユミに責任があるわけではない。でも、彼女はキースが自分なしでは生きていけないと知っていたと思う」という情報筋からの話を紹介した。
また英紙「デイリー・ミラー」によると、キースは昔から父親と折り合いが悪く、IQは高かったものの、失読症などの学習障害を抱えていた上、反抗的でもあったため、15歳で退学処分に。どん底まで落ち込むと、自分の部屋に鍵をかけ、音楽を聞きながら壁に頭を打ちつけるなどの自傷行為も行っていたとのことで、09年に受けた英紙「タイムズ」のインタビューでは、「オレは常に精神的な問題を抱えている。自己破壊的な人間なんだ。めちゃくちゃにね」と激白している。
この「タイムズ」のインタビューでは、自殺に関して「度胸がないと無理だよ。オレは弱虫だから」と語っていたが、15年の男性誌「FHM」のインタビューでは「自分が“終わった”と思ったら自殺する」と発言。結婚して安定した暮らしを送っていても精神的に不安定だった可能性があり、マユミに復縁を断られたことで突発的に首を吊ってしまったのではないかという臆測が流れている。
自殺した自宅は、15世紀に建築された150万ポンド(約2億1,900万円)のファームハウスで、キースは97年に購入。昨年、所有権の一部をマユミに移転しており、亡くなる数日前に売りに出されていた。
ザ・プロディジーだが、5日、公式ツイッターで「近日中に予定されているショーはキャンセルする」と発表。キースなしで、バンドがどのように活動を続けるのかにも注目が集まっている。
※この記事には、自殺に関する記述が多く含まれています。もし自殺が頭をよぎったら、またはあなたの周りに自殺を考えている人がいたら、下記のリンクから全国の相談窓口を利用してください。