「高い保育料払ってるのに」私立幼稚園のママが、土曜日の“園庭掃除ボランティア”に怒り
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
最近では、保育園の場合は0歳から、幼稚園もプレと呼ばれる年少より早く入園できる制度なら2歳からと、年々、園へ通い始める年齢が低年齢化している。子どもたちにとっては、初めて家庭以外で長時間を過ごす場所となる保育園や幼稚園。それだけに親にとっては、どのような特色を持った園に入園させればよいのかは悩ましい問題である。
早期教育に力を入れている園や、外国人教師を配属し語学に力を入れている園など、少子化に比例して、幼稚園や保育園の教育方針も多様化している。今回は、そのような特色のある幼稚園や保育園に通わせているママたちの本音を紹介する。
ママグループから孤立! ボランティア活動は絶対参加がルール
都内にある私立幼稚園で働いている青山さん(仮名)は、特色のある幼稚園では、保護者の負担がかつてよりも増えていると語る。
「ここの地域は、幼稚園が30園近くある激戦区。うちの園では、ヴァイオリンや英会話など情操教育を行うのが人気で、いつも定員以上の申し込みがあります。そのせいか、保護者も行事などの参加に熱心な方が多いんです。有志のママによる絵本の読み聞かせや、月1回の保育参観のほか、イベントの取り決めなどを行うクラス会も盛ん。ただどれも平日に開催されるので、専業主婦じゃないと通わせるのが難しいですね」
保護者同士で何らかのトラブルが生じた場合、子ども同士の仲が良くても、グループから仲間外れになっているママができてしまうという。
「うちの地域は、バザーや夏祭りといった地域イベントが多いため、休みの日に園以外でのお付き合いが生じます。その時に遅刻が多かったり、約束をドタキャンするなど、ルールを守れないママさんは、自然にグループから外されていきますね」
保護者が園の行事を手伝うのは、あくまで子どもが園生活を快適に過ごすためであり、そこに強制力はないはずなのだが、参加するのが暗黙のルールとなっているそうだ。行事によっては拘束時間が長く、そのため思った以上に負担に感じるママも多い。保護者が参加しなければならない行事がどれくらいあるのか、入園前の説明会などでは聞きづらく、入園後にその大変さと気付かされるという。
「本来なら、保護者による手伝いはボランティア活動のため、やりたい人がやるべきなのですが、うちの園の場合では、ほぼ強制となっています。ほかにも、幼稚園が任意でお願いしている寄付金などに躊躇される家庭は、ママグループから外れている印象がありますね。園に相談されても、なかなかママ同士の関係に介入できないので、心苦しいところではありますが」と、青山さんは語る。ママ友付き合いに疲れても、幼稚園は、その教育方針に同意をして入園しているのが大前提なので、転園しづらい面があり、卒園までの数年我慢してしまう保護者が大半らしい。