“居場所”がない元ヤクザたちの行き着く先は? 元極妻が考える「ヤメ暴」問題
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
■漂流する元ヤクザ
ヤメ暴――最近よく聞く言葉です。元極妻としては、今年の流行語大賞も期待したいところですが、2月11日放映のTBS系のドキュメンタリー『ヤメ暴〜漂流する暴力団離脱者たち〜』も話題でした。
暴力団をやめた男達=ヤメ暴が、今も漂流している。
かっこいいフレーズですね。はびこっているわけでもなく、どこかへ行くわけでもなく、「漂流」。ほんと最近のヤクザはそんな感じです。元ヤクザたちが漂流の果てに、どこへたどり着くのかは、気になるところですね。
■昔は簡単には足を洗えなかった
以前は、ヤクザをやめるのは大変でした。親分にケジメとして指を詰めて持って行ったり、代紋バッジを返す時に箱の下に札束を入れたりと、ガチで映画みたいなこともやってたんですよ。
今は、時折「『やめたい』と言ったら監禁された」というような事件もありますが、ヤクザも人気商売なので、「構成員数が減ると困る。名前だけでも置いておいてくれ」と頼まれたりもしているようです。
ちなみにネットでは「LINEで『やめます』と書いてくる若い衆がいる」ことが話題になりましたが、実際にはLINEどころか何も言わずに飛ぶ(逃げる)若い衆のほうが多いと聞いています。これも時代でしょうね。そして、やめたところで生活できるような仕事やお金がある例は、ほんのわずか。より悪い生活へと落ちていくことになります。
ドキュメンタリー『ヤメ暴』に登場する元・山口組の西山俊一さんは、ご自身もヤメ暴で、30年にわたって経営されている建設会社に元受刑者や元ヤクザを受け入れてこられました。NPO・日本青少年更生社の理事長も務めておられます。
さぞ大変だっただろうなあと思います。でも、統率力のあるコワモテさんだからこそできることですね。私も狭い世界で生きていますが、西山さんの悪口は聞いたことありません。精力的に世間から「こぼれた」人たちに寄り添っていらっしゃいます。とはいえ個人では限界がありますから、こういう事業こそ税金でやっていただきたいと思います。