女性の性交痛はなぜ起こる? 婦人科医に聞く性交痛の原因と解消法
「性交痛とは、セックスを始めようとする時、セックスをしている時に感じる痛みのことをいいます。性交痛についてのお悩みは、年齢問わず多いですね」。そう話すのは、首都圏でクリニックを開業する産婦人科の女医H氏。
痛みを感じる部分は大きく分けて二つ。膣入り口の痛みと奥の痛み。膣入り口(陰部や陰唇、膣開口部周辺)は膣炎や外陰炎、あるいはトラウマや精神的な恐怖、緊張などが考えられます。一方、膣の奥(骨盤内)で感じる痛みでは、子宮内膜症や骨盤内感染症などの可能性もありますが、こうした婦人科疾患だけではなく性交痛はさまざまな原因で起きると、H氏は話します。自分の痛みがどの場所におこってどの程度痛いのか把握し、その対処法も知っておくことが大切なんだそう。
性交痛の原因とは
性交痛の多くは、挿入時の膣内の潤い不足が原因となる場合が多いですが、「潤い不足」の原因は年齢や体調など種々の要因が考えられるとH氏はいいます。
<ストレス・緊張>
「女性の場合は特に、ストレス・緊張によってホルモンバランスが大きく乱れることがあります。その結果として、腟分泌液の分泌が不十分になり、潤いが不足します」
<前戯が不十分>
「膣に潤いをもたらす腟分泌液は性的な興奮の高まりから分泌されます。その前提となる前戯が十分に行われない状態で挿入をしようとすると、腟分泌液が十分ではなく摩擦が生じて痛みを感じてしまいます」
<出産>
「出産後は女性ホルモンが不安定で、膣や外陰部の粘膜が萎縮したり、濡れにくくなることがあります。ホルモンバランスの変調によって、うるおい不足が起こりやすくなります」
<更年期>
「性交痛に関する相談にいらっしゃる方で、最も多いのが更年期以降の方です」
H氏いわく、更年期以降は、膣に変化が訪れることがあるといいます。
「更年期は、これまで規則的に来ていた月経が不規則になり、いずれ閉経します。そんなホルモンバランスが乱れているさなか、膣内の分泌物が変化します」
規則的に月経がある時期は、排卵期には生卵の白身のようなおりものが排出され、排卵期が終わるとまた形状・感触の違うおりものが排出されます。それとともに、膣内を酸性にキープし、膣外から入る雑菌を撃退する役割を持つ常在菌「デーデルライン桿菌」も、活発に活動しています。
しかし、閉経が近づき生理が不規則になるとともにおりものが減少すると、「痒みが発生したり、悪臭が出たり。髪の毛やゴミなどが侵入し、それらを排出できなくなることがあります」とH氏。
さらに、おりものの減少は膣内の潤いを減少させ、性交痛に繋がりやすいとのこと。
<婦人科の病気>
中には医療ケアを必要とする場合もあります。
「骨盤内の腫瘍(子宮内膜症、子宮筋腫など)や炎症性疾患(性器クラミジア感染症、カンジダ外陰腟炎など)が性交痛の原因となっている可能性もあります」と、H氏。不安な方は婦人科を受診しましょう。
<心因性>
体だけでなく、精神的なことが性交痛の原因となる場合もあるといいます。「セックスが恐怖、触られるのが嫌、など心因性の痛みは人によって違います。妊娠や性感染症に対する不安、二人の関係性、環境や身体的・精神的トラブルなどが原因となって、十分にうるおいが得られず、性交痛の原因になる場合があります」。
性交痛の解消法は「膣ケア」
性交痛の解消法としてまず、すぐにできることから始めましょう。
「日常的には、丁寧に洗ってあげるとか、外陰部を締め付けるようなきつい下着を履かないとか、簡単なことでいいんです。また、婦人科で相談すれば、そのまま日常生活を送るだけでいいのか、また女性ホルモン投与や、膣内活性化のためのレーザー治療をするなど、いろいろな選択肢を提示してくれるはずです」
さらに、行為中の手軽な打開策としてH氏が勧めるのは、「性交痛予防ゼリー」。
使いきりタイプの「性交痛予防ゼリー」が安心
「わたしの患者さんで、夫を30年前に亡くしたけれど、最近、年下の恋人ができたという80代の方がいました。なにしろ30年以上、膣への意識はゼロ。その状態で恋人とセックスに挑んだそうですが、当然『痛い』で、できなかったそうです。そこでわたしのところに相談にやってきて、『まずはこれを使ってみたら』と提案したのが、性交痛予防ゼリーでした」
性交痛予防の潤滑ゼリーとして、H氏が患者さんに勧めたのが「ウェットトラスト」。形状がタンポンに似た、ワンタッチで挿入できる使い切りタイプの潤滑ゼリーです。
無香無味無色で、自然な潤いをもたらす「ウェットトラストプロ」、ヒアルロン酸と7つの天然成分を配合した「ウェットトラストゴールド」のほか、ラベンダーの香りが心地いい「ウェットトラストアロマ」、オウシュウヨモギエキスを加えた温感効果もある「ウェットトラストウォーミング」、膣ケアも期待できる「ウェットトラストプラチナ」の計5種類があります。
使い方は、袋から取り出し、ジェル注入部分を膣内に入れ、ピストン部分に人差し指を押してジェルを出すだけで簡単です。
直接手に触れず衛生面での心配も無用な上、相手にバレたくないときや、外出先で使用する際に便利なコンパクトなサイズ感も、使い勝手が良さそうなポイント。
その感触は、とても自然。とろりと軽いテクスチャーで、異物感は皆無。
「膣内に挿入するものなので成分を不安視する人もいるかもしれませんが、産婦人科医と共同開発しているので、膣内、そして体に不要な成分は入っていません。でなければ、わたしも患者さんに勧めませんからね」とH氏はコメントしています。
性交痛で、日々のセックスがストレスになっている方はぜひ一度、試してみてはいかがでしょう。
(文=HEALTHPRESS編集部)
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