コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

「オンナ芸人のブスいじり」が消えつつある今、バービーがニューヒロインになりそうな理由

2019/02/21 21:00
仁科友里

 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます

<今回の有名人>
「オンナ芸人の人ってどこか自信がないのに、プライドはあるんですよ。もっと素直に愛されよう!」フォーリンラブ・バービー
『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系、2月16日)

 現在放送中のドラマ『人生が楽しくなる幸せの法則』(日本テレビ系)は、もともとのタイトルが『ちょうどいいブスのススメ』だった。相席スタート・山崎ケイの同名エッセイをドラマ化したものだが、SNSで「ちょうどいいブスとは何事か」と炎上。山崎の言う「ちょうどいいブス」の定義が「酔ったらいける」であったことから、「そこまでオトコにへりくだる必要があるのか」「オンナはオトコにジャッジされるべき存在ではない」といった怒りが噴出した。このままでは視聴率にいい影響がないと判断したのだろう。日本テレビは、ドラマのタイトルを変更すると発表した。

 オンナ芸人にとって、ブスはある意味一番簡単に笑いを稼ぐネタだったが、こういった炎上を恐れてだろう。バラエティー番組で、はっきりしたブスいじりを見ることはほとんどなくなった。ジェンダーとして考えれば適切な方向だが、こうなると現場にいるオンナ芸人は、ブスやモテない以外の新しいキャラを早急に見つけないといけない。今、そこから頭ひとつ出ているのが、フォーリンラブ・バービーではないだろうか。

 今から4年ほど前『金曜 ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)で、「ホントはイイ女GP(グランプリ)」という企画が行われたことがあった。司会のロンドンブーツ1号2号・田村淳が、独身のオンナ芸人やグラビアアイドルの家を訪れ、料理や掃除、整理整頓が行き届いているかをチェックし、もてなしの心地よさを競うといった内容だった。バービーはこの企画に参加し、淳から高評価を受けていたが、その一方で「結婚願望がない」「結婚していないイコールかわいそうという扱いに納得がいかない」「自分をブスだと思っていない」といった具合に、「オンナ芸人はブスで結婚できない」という既存のフォーマットに異を唱えている。

 2013年に『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)に出演したオアシズ・大久保佳代子によると、オンナ芸人の中で一番性欲が強いのはバービーだそうで、純粋なマッサージに行くときも“何か”を期待して、性欲が強そうなマッサージ師を探すそうだ。マレーシアに旅行に行った際は、インド人のタクシーの運転手に口説かれて、深い仲になったらしい。もちろん大久保は芸人なので、話を盛っている可能性はあるだろう。しかし、外国人男性もOKというキャラは、これまでなかなかいなかっただけに、ビジネスチャンスと見ていいのではないか。

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