カルチャー
インタビュー【後編】

嵐だけじゃない……関ジャニ∞にも迫る「商品としての終わり」を、企業コンサルタントが解説

2019/02/17 19:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

――今後、ジャニーズ事務所がアイドルグループを運営していく上で、どのようなことを心がけるべきなのでしょうか。

大関 SMAPや嵐のような看板アイドルが「金のなる木」になった段階で、次の「花形」候補として、新たな「問題児」を仕掛けていくことです。「いい子がいるからデビューさせよう」ではなく、もっとシステマティックに考えていくべきだと思います。たとえみんな売れっ子になっても、一気にピークアウトを迎えたら、事務所が立ち行かなくなってしまいますから。

 昨年デビューしたKing&Princeが、デビューシングル売り上げ60万枚超えを記録するなど、かなりの人気を集めているそうですが、正直言って仕掛けた時期が遅すぎました。2010年前後に、Hey!Say!JUMPやKis-My-Ft2などのグループがデビューしているものの、彼らの「花形」としてのピークが低いことを察した段階で、すぐ次の「問題児」を世に出さなければいけなかったと思います。キンプリが、これからどこまで伸びるかは、事務所にとっての重要事項でしょうね。

――「花形」としてのピークが低いグループのファンは、複雑な気持ちになってしまうかもしれませんね……。

大関 事務所としては、見極めが大事なんです。小粒な商品に投資しすぎても、無駄になってしまいますから。ピークはここだと見極めたら、小さい「金のなる木」にしてあげて、ピークアウトに持っていくべきであり、引っ張れば引っ張るほど、本人たちがかわいそうです。商品戦略としては、オールマイティーな「花形」ではなく、一つのジャンルの「花形」に育てるのも手。当初期待したほどのブレークはなくても、コアなファンや根強い人気をつかんでいると思えば、そのマーケットだけ狙っていくというやり方です。

――今年に入って、滝沢秀明さんが「ジャニーズアイランド」の社長に就任しました。ジャニーズJr.の育成と、彼らの作品や公演をプロデュースしていく会社なのですが、滝沢さんがまさに、新たな「問題児」を仕掛けていくことになります。

大関 滝沢さんは、より速く花形のピークに持っていけるような商品を吟味しているのでしょう。事務所が今そこに力を入れているのは、理にかなっていますし、かなり重要な仕事だと思います。恐らく、ジャニーズ事務所はこれまで、商品戦略を考えず、行き当たりばったりでアイドルグループを売ってきました。しかし昨年、タレントの不祥事や退所が続いたところを見るに、もっと長期的な戦略を練ってアイドルグループを運営すべき段階に来たのではないでしょうか。

――これまでの事務所であれば、嵐が「休みたい」と言っても、聞き入れなかったのではないかといった声が、ファンの間から聞こえてきます。それも事務所が変わろうとしている兆しなのかもしれません。

大関 事務所サイドも、SMAP解散騒動を経て、同じようなことを二度と起こしたくないと感じているのかもしれませんね。アイドルグループビジネスの難しさは、商品が人間であるという点。人間は年を取るほど、精神的にも大人になり、いろいろなことを考えるようになるものです。アイドルビジネスを作り上げたジャニー喜多川社長は、そんなアイドルたちの気持ちをわかってあげられる存在だと思いますし、だからこそ嵐の申し出を受け入れたのでしょう。ファンの皆さんはきっと「永遠に応援したい」と願っていることでしょうが、本人たちのためにも、アイドルグループの終わりを受け入れてあげるべきだと、私は思います。

取材協力:大関暁夫(おおぜき・あけお)
All About「組織マネジメント」ガイド。東北大学卒。横浜銀行入行後、支店長として数多くの企業の組織活動のアドバイザリーを務めるとともに、本部勤務時代には経営企画部門、マーケティング部門を歴任し自社の組織運営にも腕をふるった。独立後は、企業コンサルタントの傍ら上場企業役員として企業運営に携わる。

最終更新:2019/02/17 19:00
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