コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき44
ヤクザのバイトはアリだった? 元極妻が考える暴力団の「シノギ」
2019/02/03 16:00
作家の宮崎学さんと元ヤクザの組長で現在は更生支援団体の代表である竹垣悟さんの対談『ヤクザと東京五輪2020 巨大利権と暴力の抗争』(徳間書店)には、このシノギの話も出てきます。
宮崎 他のシノギも厳しいですよね。バブル期から「大きなシノギやないとシノギと言えない」みたいになってきていますけど、昔ながらの小さなシノギはけっこうありますよね。消火器を売ったり、布団のマルチ商法とか。
竹垣 マルチ商法ありましたね。でもそれはわからんようにやってましたよ。そんなん知れたらアホにされるもん。
宮崎 (笑)。「シノギを知られたくない」というのは、普通なら他に取られたくないとか、パク(逮捕)られたくないからとかですけどね。バカにされると。
竹垣 そうです。やっとるのけっこういたけど、それはカタギつこうてみんなわからんようにやってましたわ。そもそもそういうことをヤクザはしないものなんです。でも知恵の回る者はシノギもうまいから。頭のいいのはみな噛んでましたわね。
これをハッキリ言ってしまえる竹垣さんは、さすがです。シノギについては、記者さんたちは、まず具体的なことは書きませんし、親分衆も「シノギの話はカンベンしてや」と真顔になります。シノギの話はそれだけ重いんです。「あそこはウチのシマなのに、○○組がシノギをかけてるらしいじゃねえか」となって対立を生む可能性もあるからです。
でも「バレたら(対立関係でなく)アホにされる」という理由は面白いですね。実は、ヤクザは他人様には言わないだけで、いろんなシノギをやってきたのです。今は全く合法のシノギはできないので、覚醒剤やオレオレ詐欺をやるしかないのです。
最終更新:2019/02/12 18:51