カルチャー
「歌声の響」を披露

「なぜ三浦大知?」天皇陛下在位30年記念式典、皇室ウォッチャーも驚いた“記念演奏の人選”

2019/02/02 19:00
『天皇皇后両陛下 ともに歩まれた60年』(クレヴィス)

 2月24日、東京・隼町の国立劇場で開かれる「天皇陛下在位30年記念式典」において、アーティストの三浦大知が記念演奏を行うことが発表された。天皇陛下が作詞、皇后陛下が作曲した「歌声の響」を披露するといい、国民の注目が集まる中、「なぜ三浦大知なのだろう?」と、人選の理由を知りたがる人も多数いるようだ。今回、皇室ウォッチャーX氏にそうした声に対する見解を聞くとともに、「天皇陛下在位30年記念式典」での注目ポイントを語ってもらった。

――「歌声の響」を三浦大知さんが披露するそうですが、この人選を受けてどのような感想を抱かれましたか?

皇室ウォッチャーX氏(以下、X) 率直に“驚きの人選”でした。もちろん、三浦さんは『NHK紅白歌合戦』に2年連続出場するなど実力派のアーティストですが、まだ31歳とお若い方です。両陛下が直接お選びになったのかはわからないものの、皇室のとても重要な「在位30年記念式典」という行事に、三浦さんが選ばれたのは深い意図があるでしょうね。例えば、若い世代に特に人気がある三浦さんを起用することで、皇室や沖縄への関心を高める意味合いなどが考えられます。

――「歌声の響」は、両陛下の沖縄への思いがこめられた曲とのこと。そして、三浦さんは沖縄出身です。

X 両陛下が提唱されている「忘れてはならない4つの日」というものがあります。広島と長崎の原爆の日と終戦記念日、そして“沖縄慰霊の日”です。両陛下が沖縄を初めて訪問されたのは1975年。戦争終結から30年たっていましたが、当時の沖縄県民は皇室に対して複雑な感情を持っていました。「ひめゆりの塔」で火炎瓶を投げつけられる事件も起こってしまいましたし……。しかしその夜、陛下は沖縄県民に向けての談話を出すなど、沖縄地上戦の戦没者に対して並々ならぬ思いを抱かれています。平成になってからも、何度も沖縄を訪れて、戦没者の遺族たちと交流されたり、慰霊碑に献花されるなど、お二人にとって沖縄は特別な土地なのです。

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