コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

「本命校よりはるか下の偏差値なのに……」1月受験に失敗した中学受験生の母、その悪夢の先

2019/01/27 17:00

 今回は筆者である私が実際に体験した“悪夢”をお話ししよう。

 私の息子である、たこ太(通称)は、お試し受験で落ちたのだ。もちろん、「3」を想定した受験ではなく、「1」と「2」を兼ね合わせた受験であった。つまり、塾も「万が一にも落ちることはあり得ない!」と太鼓判を押し、本人も母である筆者も、合格を取ることが当たり前の受験だったのだ。

 しかし、結果は不合格。本命校の受験日まで2週間を切っている中での「まさかの不合格」を、うちのたこ太はお見事なまでにいただいてしまった。しかも、当時通っていた塾で、その学校を受験した多くの児童の中で、ただ一人の不合格者であった。

 想定外のことが起こると、人間、何も考えられなくなるものだが、しばらく茫然とした後、私は大泣きした。「本命校より、はるか下の偏差値校で不合格だったら、もう望みがないのでは?」と思い、絶望したからだ。しかも、この結果を学校から帰って来る息子に伝えなければならないことがつらかった。

 号泣しながらも、塾に電話をしている自分がいた。心の中は「嘘つき! 嘘つき! 絶対に大丈夫だって言うから受験させたのに!!」という思いでいっぱい。塾の先生に当たっても、どうしようもないことはわかっているのに、苛立ちやら、悲しみやらで涙が止まらなかった。

 そんな混乱状態の私に、塾の先生は「たこ太は、1点差で落ちている(注:このように点数を開示してくれる学校もある)! 1点の重みを、たこ太の骨の髄まで叩き込ませるビッグチャンス!」と言って憚らなかった。

 結局、私は帰宅して来た息子に不合格の事実を伝えられず、塾の室長と相談の上、塾に丸投げすることにした。

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