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ドラマレビュー

『レ・ミゼ』『モンテ・クリスト伯』をまっとうした、ディーン・フジオカの“異物感”

2019/01/21 21:00

 1月5日、ディーン・フジオカと井浦新がダブル主演を務めたスペシャルドラマ『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』(フジテレビ系)が放送された。

 本作は1862年に執筆されたヴィクトル・ユーゴーの大河小説を、現在の日本に置き換えた物語だ。原作は1枚のパンを盗んだことで19年間の監獄生活を送ることになったジャン・ヴェルジャンの生涯を描いたもの。そこにフランス革命を筆頭とするフランスの政治状況が重ねられるが、本作では、平成という時代の始まりから終わりにかけての日本の状況が重ねられている。

 主人公の馬場純(ディーン・フジオカ、若年期は吉沢亮)は、母親を詐欺でハメた男を事故死させたことで逮捕される。2年後、死期間近の弟に一目会うために脱獄。しかし、弟はすでに亡くなっていて、失意の馬場は自殺を図ろうとするが、すんでのところで徳田浩章(奥田瑛二)に救われる。彼の経営する自立支援施設「徳田育成園」で正体を隠して暮らしていると、そこで渡辺巧海(村上虹郎)と出会う。渡辺は馬場の正体に気づくが、彼のことを受け入れ、2人は親友となる。

 そんな中、1995年、阪神・淡路大震災で建物の下敷きになった渡辺は、死の間際、馬場に「渡辺拓海として生きろ」と告げる。9年後、馬場は渡辺巧海として暮らしていた。渡辺の夢だった弁護士となった馬場は、貧しい人々のために働いていたが、ある日、馬場の行方を探している斎藤涼介(井浦新)という男が現れる。斎藤は、馬場が殺した男の息子だった――。

 正体を隠して逃亡する男という役は、ディーンが自ら監督・主演を務めた映画『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』で演じた、殺人逃亡犯・市橋達也役を彷彿とさせるものがあり、ディーンのポテンシャルが発揮されていた。馬場を追う刑事を演じるのが、昨年『アンナチュラル』(TBS系)で再ブレークした井浦新というのも見事な配役で、とても見応えのあるヒューマン・ドラマだった。

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