女子小学生の常習犯を捕捉! 万引きGメンがいまだかつて聞いたことのない「盗みの理由」
こんにちは、保安員の澄江です。
みなさん、年末年始のお休みはいかがでしたか。帰る実家もなければ会える家族もいない私は、亡夫のお墓参りに行ったほかは、部屋でごろごろして過ごしました。毎年一番寂しくなる時期なので現場に出たい気持ちもあるのですが、大みそかから三が日を過ぎるまでは依頼が少なく、たとえ依頼があったとしても、人であふれる特売の催事場などが主な現場となります。新年早々、あの人混みに揉まれるよりは……と、体を休めることにしたのです。おかげさまで足腰の疲れは取れ、今年初日の現場では、たくさんの商品を盗んでしまった小学生の常習犯を捕捉することができました。今回は、その時の話をしたいと思います。
今年の仕事始めは、関東近郊にある小さな駅の駅前に位置する総合スーパーA。古臭く複雑な構造を有する3階建てのビル内にある売場は、食品のほかにも衣類や文具、書籍、玩具、化粧品などを扱っています。各フロアとも面積が広く、死角の多いレイアウトであるうえに品数も豊富なので、万引き被害が絶えるわけもなく、長年にわたってお世話になっている店舗の1つです。この現場に入ると、いつも何かが起きる。そんな印象が強い店といえるでしょう。当日の業務は、午前11時から。いつも通り満員電車に揉まれて現場に辿りついた私は、事務所で店長や事務職の皆様に新年の挨拶を済ませると、いつもより強い緊張感を持って店内の巡回を始めました。
ランチを求める人で混雑する昼のピークは、地下1階にある食品売場の総菜コーナーを中心に警戒します。万引きの現場を知らない方は意外に思われることかもしれませんが、お弁当や総菜を盗む人は意外に多く、ポケットにおにぎりを隠したり、お弁当をそのまま持ち去る手口が横行しているのです。中には毎日のように犯行を繰り返して、毎月の食費を浮かせる常習者も存在しており、お店の場所によってはホームレス系の方々による犯行が横行してしまう場合も珍しくありません。そうした事情から、食事時の混雑時には、惣菜売場を中心に警戒することにしているのです。