福士蒼汰『BLEACH』、吉岡里帆『音量を上げろタコ』……2018年の「大コケ映画」3作品
新年を迎えるにあたって、映画業界の関係者に2018年を振り返ってもらったところ、「話題性があったにもかかわらず、大コケした作品」のタイトルが複数挙がった。それぞれの映画に寄せられた批判コメントとともに、紹介していこう。
「福士蒼汰主演の映画『BLEACH』(7月20日公開)は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されていた同名漫画の実写版とあって、当初より原作ファンからは不安な声が上がっていました。ただ、キャストは福士を筆頭に杉咲花や吉沢亮といった人気の若手や、長澤まさみに江口洋介ら実力派の役者が集結。また、『ジャンプ』作品の実写化は『銀魂』や『るろうに剣心』などの成功例もあるだけに、関係者は『BLEACH』にも期待していたようです」(映画誌ライター)
こうして全国329スクリーンで大々的に公開された『BLEACH』だが、映画ランキング(興行通信社)では初登場4位と微妙な滑り出し。ネット上には「アクションシーンは評価できる」という声も寄せられるも、「登場人物のコスプレ感が強くて、安っぽく見える」「原作の世界観とはかけ離れた仕上がり」などと厳しい書き込みも。それでも、翌週は5位に踏みとどまったが……。
「公開から1週間後、7月27日に山下智久主演の『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が公開されると、『BLEACH』がターゲットにしていた若年層や女性層が一気に流れた模様。『コード・ブルー』が初登場から3週連続で1位を獲得し、その後もしばらくトップ10入りしていたのに対し、『BLEACH』は公開3週目にはランキング圏外となってしまいました」(同)
一方、4月20日公開の『いぬやしき』はとんねるず・木梨憲武と佐藤健のダブル主演で注目を集めていたはずが、ランキング5位発進という中途半端な成績に。こちらも「イブニング』(講談社)で連載された同名漫画を実写化したもので、全国313スクリーンで上映開始。初週の土日の観客動員は9万1000人、興行収入は1億2400万円だったが、同日公開されたハリウッド作品『レディ・プレイヤー1』は土日動員21万人超え、興収も3億円オーバーで2位発進と、出だしから大きく引き離された。
「さらに、この時期は『名探偵コナン ゼロの執行人』(4月13日公開)が爆発的ヒットを記録していたほか、ディズニー映画『リメンバー・ミー』(3月16日公開)も根強い人気を保っていたため、『いぬやしき』は公開4週目でランク外に。ネット上には『佐藤はもちろん、ノリさんの演技も良かった』『映像に迫力があった』という評価が寄せられていたものの、『話題作の公開が重なって、埋もれたね』と同情する者も少なくありませんでした」(映画関係者)
最後は、10月12日公開の『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』の“大爆死”をおさらいする。
「阿部サダヲ主演、ヒロインは吉岡里帆ということで話題性のありそうな映画でしたが、初週からトップ10入りを逃しました。214スクリーンでの上映開始だったとはいえ、同日に206スクリーンで公開した『幸福の科学』のアニメ映画『宇宙の法 黎明編』は初登場1位、9月に亡くなった樹木希林さんの遺作『日日是好日』は10月13日から160スクリーンで公開して初登場2位にランクイン。『音量を上げろタコ!』の爆死ぶりが際立ちました」(同)
ネット上では今年、「吉岡がゴリ押しされている」としてアンチが急増していたが、同映画については「吉岡だけのせいではなさそう」「そもそもストーリーに魅力がない」といった指摘も。
「主人公のロック歌手・シン(阿部)が“声帯ドーピング”で喉を壊しかけている中、ストリートミュージシャンのふうか(吉岡)と出会い、距離を縮めていく……という内容でしたが、『なんか古臭い設定』『タイトルからしてサムい』『これはヒロインが吉岡じゃなかったとしても見に行かないわ』などと言われていた。その結果、実際に見に行ったネットユーザーからは『劇場ガラガラ』との報告が寄せられ、初週の興収に関して『約3000万円』とする報道もありました」(同)
2019年もさまざまな新作映画の公開が控えているが、それぞれの出足に注目していきたい。