Kis-My-Ft2「家族限定ライブ」、ペットの犬や1歳児のステージ観覧に覚えた不安
2018年のジャニーズ出演番組で最もおかしな企画が、12月24日に放送された。『CDTVスペシャル! クリスマス音楽祭2018』(TBS系) でのKis-My-Ft2「家族限定ライブ」である。
同番組で事前に観覧募集していた企画で、観覧者の資格として「家族全員でキスマイの振り付けができる!」「お孫さんの影響でキスマイが大好きになったおばあちゃんを連れてってあげたい!」 などのエピソードが挙げられていた。
ジャニーズ番組の観覧の場合、ときどきこの手の「男性やちびっこ、お年寄りなど、意外性のあるファンがいることを見せるための募集」というのが行われる。ちびっこのいるママさんのジャニオタは多いだけに、子どもは当選に有利な条件にならないという面もあるが、観覧に協力してくれる「大人男性」は少ないだけに、お父さんなどが行ける場合は当選確率が自ずと上がる。
そして、目一杯集めた「お父さん」は、「お父さんファンが存在していること」を強調するため、気の毒なことに家族から離され、目立つ場所に立つように指示を受け、「もっと大きく動いて!」「お父さん! 映りますよ! 笑顔で!」などと個別で指導を受けることもある。もちろん、お父さん自身がファンなのか、単に娘か妻に連れて来られただけか、なんてことはまったく問題じゃない。重要なのは「ファンという集団の中に男性がいること」なのだ。
そんなわけで、この企画も「ああ、ジャニーズのお得意な家族企画ね」と思っていたのだが、今回ばかりは驚いた。番組では「なんとこんな意外なファンも」として、「犬のファン」 を紹介したのだ。
なんでもキスマイの曲を聞くと鳴くとかで(比較対象として、他ジャニーズグループや別アーティストの曲を聞かせる実験はナシ)、「実はまだキスマイのライブに行ったことがない」と言う。ええ、そうでしょうとも。
ともあれ、赤ちゃんからお父さん、おばあちゃん、さらに犬までいる混沌のライブが行われた。「娘や嫁に付き合わされてるだけだろ」「これだからジャニオタは」とネット上で叩かれそうで、見ながらヒヤヒヤしてしまう。そして案の定、「犬がファンというのは、さすがにやりすぎ」「犬がファンのわけはなく、赤ん坊もファンか確かめられない」などの声が上がっていた。
世間に「人気がある」と思わせるため、「きゃー! きゃー!」という歓声を上げさせるジャニーズの番組協力での指導は、正直、ものすごく古いし、「特殊な集団」に見えることで、世間にドン引きされる原因にもなる。さらに、「幅広い人気」を示す演出ともなると、さすがにどうかしている。このあたりのヘタさは、さすがジャニーズだ 。
さらに、一番恐れていたのは、CD売り上げもコンサートの観客動員数も事務所内で安定して上位にいるキスマイが、 こうした企画をすることによって「人気がないグループ」 に見えないかということだ。これにも、やはりネット上で「家族限定ライブって、招待されてるのがキスマイファンの1歳とかペットの犬って、おかしくない? それともキスマイはファンがいないのか」との指摘があった。
これでは、ちゃんと人気があるキスマイが、あまりに可哀想だ。とはいえ、多くのキスマイファンは「ほっこりした」「犬にまで愛されるキスマイ」などとつぶやいているわけだけど……。 みんな良い人なのか。
(南山ヒロミ)