カルチャー
万引き対策専門家・伊東ゆう氏インタビュー後編

万引き番組の“ヤラセ疑惑”をGメンが解説! 「犯人は演技している」の意味とは……?

2018/11/24 16:00

――テレビの撮影で「これはダメだろう」とお蔵入りになったエピソードとかありますか?

伊東 カメラに気づいて「撮影やめろ!」っていう奴はいますね。あと最近だと、公務員の女性が、撮影しているカメラに気づかないでそのまま警察に連れて行かれたんですが、ずっと自殺を仄めかすようなことを言ってたんですね。「職場でいじめられてて、家族にも嫌われて生きている価値がない」「今日も職場でお弁当を投げつけられました、死にたいです」とか。それで私も、現場のスタッフに「これはヤバい。放送したのに気づいたら命断つかもしれない。本物だよ」と伝え、結局、現場の判断で「これは、なかったことにしよう」とお蔵入りになりましたね。話も重いし、せっかく撮れたのにお蔵入りになるしで散々でした。

――やっと撮れた映像がお蔵入りになったり、そもそも撮影が成功しなかったりと大変な苦労をされていますが、それでも協力を続けている理由はなぜですか?

伊東 世の中の風潮として、万引きが軽く見られているのを、あらためたいんです。『万引き家族』でテーマとして取り上げられたように、万引きは社会問題の巣窟で、育児放棄、DV、薬物、介護問題と、今の日本社会のいろんな負の部分が集約されています。そこに巻き込まれて、結果として万引きをしてしまった人たちを何とかしたいという気持ちもある。あと私はGメンの社会的地位の向上を図りたいっていう思いもありますね。こんな大変なんだから、もうちょっとギャラよこせ、みたいなね(笑)。

――お給料は、そんなに高くないんですか?

伊東 1人捕まえていくらみたいな成功報酬は全然ありません。店舗から「このGメンさんお願いします」と指名されれば指名料が入ることはありますが。万引きGメンはたいてい日給月給制です。それも1日1万円~9,500円くらいですよ。

――テレビ出演で顔バレしたりして、業務に支障が出たりはしませんか?

伊東 顔は知られてますけど、それでお客様にバレたことは、まったくないですね。大体買い物してる人って、ほかの人の顔なんて見てないじゃないですか。それこそバレるのは、万引き犯か店員さんくらいで。店員さんにはたまに「伊東さん、今日は入ってるんですね」って声を掛けられますよ。

 万引き犯にバレないために、変装はしますね。特に夏だと服自体が軽いので、着替えを持っていきます。黒いTシャツと白いTシャツ、あと帽子とか。たまに気づくと追いかけてくる奴がいるんですよ。「あれ、こいつ何だ」ってね。するとバックヤードに入って、白Tシャツから黒Tシャツに着替えて、帽子かぶって、入り口から入り直して、またそいつを見張る。そいつは、さっきの白いTシャツ姿の私をずっと探してて。それでいないからと油断して万引きしたときに捕まえて「ばぁー」って、やったことありますね。

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