浜口京子、世間が求める完璧な“メダリスト像”のウラに……娘を縛りつける父と母の陰
なぜかというと、親がブレーキをかけているように私には見えるから。
『爆笑!いいね動画シアター』(フジテレビ系)で、浜口が父のアニマルにドッキリをしかけたことがある。浜口がアニマルに、俳優をしている男性を紹介し、結婚していいか承諾を求めるというドッキリだったのだが、アニマルは反対する。その理由が「浜口京子は、自分だけの娘ではない。日本の浜口京子、世界の浜口京子なんだよ」「そんな簡単に京子を持っていかれちゃ困る」というものだ。
メダリストである娘に、有名でもない俳優はふさわしくないと思ったのかもしれないが、どうも男女交際そのものに抵抗感があるように見えた。
また『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同)に“石橋温泉”というコーナーがあった。とんねるず・石橋貴明が女性芸能人と温泉に行き、悩み相談に乗るというものだが、ここに浜口が出演したことがある。
例によってくねくねしながら、恋愛がうまくいかない話をしており、そこに「結婚に関してお父さんはこう言っている」といった具合に、親の意見をちょいちょい混ぜる。石橋は「年齢も年齢なんだから、自分の幸せ考えたら?」と正論で返すが、全然響いていない様子。ここでアニマルと母親が登場し、娘に結婚してほしいと口では言うものの、発想が割りとぶっ飛んでいる。
浜口が男性とデートをしていると、両親は「どこかで監禁されているのではないか」と心配になり、家のドアの前でまんじりともせず待っているそうだ。浜口は、両親の愛情エピソードだと理解しているようだが、常識的に考えて、そんな男性はほとんどいないだろう。結局、両親は浜口をいつも自分の目の届く場所に置いておきたのではないだろうか。浜口が恋愛結婚を希望している場合、デートぐらいで文句をつけられているようでは、なかなか先に進めないのではないか。
日本のバラエティーでは、“結婚していない女性”は需要があるので、本心は別として、浜口が“恋愛未経験キャラ”で続けるのであれば、仕事が増える可能性はある。でも、もし浜口が本気で結婚したいなら、とりあえず自宅から100メートルの距離でいいから、鍵を渡さないかたちで一人暮らしをしてみることを勧める。ものすごい解放感に気づくかもしれない。
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
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