NEWS・加藤シゲアキ、“再犯問題”で「刑務所と社会のズレ」に疑問投げかける
NEWS・加藤シゲアキと小山慶一郎がMCを務める『NEWSな2人』(TBS系)。11月2日深夜の回では、先週に引き続き「再犯問題」を取り上げ、加藤が元受刑者に取材。元受刑者が語る刑務所の現状と、社会復帰を目指す彼らの苦悩に迫った。
加藤が向かったのは、東京・墨田区に今年9月にオープンした「マリア・カフェ」。元受刑者が地域住民とのふれあい、社会復帰へのきっかけを作り出すという交流スペースだ。代表の五十嵐弘志氏(54)は、監禁などの罪で前科三犯の元受刑者。トータルで20年近く服役したが、そこから社会復帰を果たし、今まで50名以上の元受刑者を支援している。
加藤が「元受刑者にとって、社会復帰っていうのはやっぱり難しいものですか?」と尋ねると、五十嵐氏は「難しいでしょうね。僕は今の刑務所って犯罪者の養成所だと僕は思っているんですね。それはなぜかと言うと、やはり社会の常識が、刑務所では非常識なんですよ」と語り、「再犯問題の原因は刑務所にもあるのではないか?」と提言する。
例えば、「刑務所内での挨拶は、刑務所の工場の担当者が受刑者全員に『おはよう』って言った時に『おはようございます』。それだけなんですよね」と、受刑者同士の挨拶は禁止。さらには、「刑務所では、前から受刑者が来ると、すれ違う際に片方の受刑者は壁側を向かなくてはならない」と、刑務所内では受刑者同士の“すれ違い”も禁止されているという。このような刑務所内と社会での生活環境の違い、ギャップが社会復帰への壁となり、再犯が繰り返されるのではないかと五十嵐氏は語る。
また、元受刑者のマキさん(35、仮名)は、「刑務所の時は、全部指示されて動くから、“止まれ”って言われたり“進め”って言われたり、全部指示待ちなんで、自分では何も考えなくていいんですよ」と、刑務所では思考停止の状態になると告白。五十嵐氏は「簡単に言えばロボット人間ができてしまう」と、思考力低下が社会復帰の妨げになることも明らかにした。
さらに、刑務所内で労働した作業報酬金は、1カ月で約5,317円(法務省ホームページより)。時給に換算すると5円〜50円となり、これでは出所後に部屋を借りることもできず、頼れる身寄りがない者は組織関係者のところに戻ったり、食べるために再犯というパターンも少なくないという。
なかなか元受刑者の社会復帰が難しい中、一方では今年3月には受刑者専門の求人誌「Chance!!」が創刊。冊子内のすべての感じにルビがふってあり、付属の履歴書には、非行歴、犯行歴、懲役、入れ墨の有無、指詰めの有無などのチェック項目が記され、刑務所などに配布されていることも伝えられた。
取材を終えた加藤は、「あまりにもずれているってことですよね。刑務所と社会が」「刑務所は犯罪を繰り返さないために刑罰を受ける場所だって思っていたんだけども、なんかこう矛盾しているなって。社会と刑務所はまったくの別社会。規律が違うから、別に刑務所を自由にしろと思うわけじゃないけれども、うまく社会に馴染めるような1年をつくってあげるケアまで社会はしてないのか?」と疑問を投げかけた。
この放送に対し、SNS上では、「社会復帰がスムーズにいかないから、また道を迷っちゃう人がいるんだ……」「やり直そうとしてる人を応援していく社会になっていくといいんだろうな~」などの声が見受けられた。