KinKi Kids・堂本剛、ジャニーズという看板は「時に邪魔する」と事務所の体制に苦言
ソロプロジェクト「ENDRECHERI」名義で今夏の音楽フェスティバル『SUMMER SONIC 2018』と『イナズマロック フェス 2018』に出演したKinKi Kids・堂本剛。音楽ファンからも「ENDRECHERIのファンク最高」「めちゃくちゃかっこよかった」と絶賛の声が相次ぎ、あらためてKinKi Kidsとは異なる剛の音楽性が評価される機会となった。こうしたジャニーズファンではない者の好意的な反応を受け、剛は現在の環境についてさまざまに思いを巡らせているようだ。
剛は昨年6月に突発性難聴を発症し、参加が決まっていた『SUMMER SONIC 2017』と『イナズマロック フェス 2017』への出演を辞退。今年、リベンジを果たした形だが、ラジオ番組『堂本剛とFashion&Music Book』(bayfm、9月29日放送)にて、10年前はジャニーズ事務所に「フェスは無理。ダメ」「ルールにない」と言われた時代があったと、感慨深げに振り返っていた。また、10月27日の同ラジオでも、『イナズマロック フェス』に関するお便りを紹介。それは、周りにいた剛ファンではない男性らが「アルバム買ってみよう」「ライブ行ってみたいな」とつぶやいていたという、うれしい報告だった。この内容を受け、自身のライブチケットは「普通には買われへん」ため、「男の子とか、今回“ENDRECHERIいいな”と思ってくれた人には、高い壁」と剛。
ジャニーズのコンサートチケットは、ファンクラブ会員が優先的に購入でき、一般発売もあるとはいえ、販売枚数はわずかだといわれている。「事務所の人からすると、『別にファンクラブ入って(チケット)買えばいいやん』っていう話だと思うんですけど」と言いながらも、ジャニーズのファンクラブに入会するのは“高い壁”だと指摘したのだ。
「これはね、ジャニーズを否定する話をしているわけではなくて、“思っている以上に否定する人もいるよ”ってことなんですよね。ただその、『ジャニーズ』っていう言葉に敏感な、やっぱり人たちもいるから。それを取ってあげれば、ジャニーズである僕の領域に入って来る人はいるのに。(事務所として)『いや、ジャニーズっていうことは言わないと』っていうこととかは、いろいろこだわっていっちゃうと、なんかもったいないなと思うよね。せっかく手を差し伸べてくれた人たちの、その手を無視する結果にもつながるから」
自身の音楽を通じて「ジャニーズでこんな音楽する人いるんだ」などと感じてくれた人々との出会いを大切にしたいようで、「こだわりとかプライドみたいなものっていうのが、時に邪魔をするよな~」と、暗に事務所の体制や方針にダメ出し。事務所本体のスタッフと、音楽制作に関わるスタッフの間で意見の相違がある様子もにじませ、「目の当たりにしてくれてるスタッフさんもそうですけど、『もったいないなぁ』ってずっと言ってる今年の夏でしたね。『この勢いとか、このみんなが言ってくれてる、いろいろな声を次につなげたりできるのにね』って。『もったいないね』って」と口にしたのだった。
また、KinKi KidsではなくENDRECHERIのファンクラブ開設の夢も胸に抱いているそうで、「『あ、(ENDRECHERI)やったら』って素直に入ってくる人もいて。そこからまた、『じゃあこっち(KinKi Kidsのファンクラブ)も入ろうかな』って人が絶対に出てくるから。まずは最初のとっかかりとして、ENDRECHERIのそういうスペースがあるといいなぁとは思うけどね。そこだけで終わる人はどうせ終わるし」と告白。
どうやら事務所から、ENDRECHERI のファンクラブ会員がKinKi Kidsに入るわけがないと事務所関係者から決めつけられた経緯があるようで、「オーディエンスが決めることなんでね、こっちが頑なに決めることではないのにな」ともチクリ。事務所のスタンスと剛の理想に隔たりが生じていることをうかがわせた。
ちなみに、2010年には剛のソロライブの情報を配信するメールマガジン「堂本剛 情報 FUNK – LOVE mail」が始動したものの、最近はすっかりその存在が薄くなっている模様。当時、ソロライブはジャニーズ公式チケット販売サイト「Jticket」(14年3月にサービス終了)で購入可能だったという。これらがストップした状況だけに、今回の発言を受け、多くのファンが「ジャニーズに興味ない人が気軽に行けるようにしてほしい。今のままじゃ間口狭すぎ……」「ソロのFCを作ったらライブ行きやすいもんね。本当もったいないよ」と、賛同。具体的な改善策を提案するコメントも見受けられた。
剛の今後の活動だけでなく、ジャニーズ事務所がどのようなファンクラブ運営を行うのかも、注目を集めている。