小泉今日子、豊原功補との“同棲”報道に見るバーニングとの関係
「三毛猫ホームズ」シリーズでもおなじみの売れっ子作家・赤川次郎。そんな赤川先生の不定期新連載がちょっと前から「女性自身」でスタートしたが、これが面白く大変素敵だ。
第7回を迎えた今回のテーマは、熊本市議の緒方夕佳議員が「のどあめ」を舐めながら熊本市議会の質疑を行い、審議が8時間中断、緒方議員には出席停止処分が下された問題だ。
緒方議員といえば、昨年11月熊本市議会で、生後7カ月の長男と一緒に出席しようとして締め出された一件が大きな話題を呼んだ。そして巻き起こった卑劣なバッシング。多くの識者やタレント、コメンテーターたちが「子どもには寛容な社会であるべきだが」などと前置きしつつ、「ただし、強行突破しようとした彼女のやり方はおかしい」「パフォーマンス」などと批判したのだ。だが、その本音は“子どもは母親が家で育てろ”ということでしかなかった。
そんな緒方議員の「のどあめ」問題に赤川先生は切り込んでいる。こんな例を挙げて。例えば英国メイ首相が演説中に咳で話せなくなったとき、大臣の1人がのどあめを差し出して拍手を浴びた。またニュージーランドの女性首相が国連総会に生後3カ月の赤ちゃんを連れて出席すると、国連は赤ちゃんに「ファーストベビー」としてIDを発行したこと。
さらに赤川先生は一連の緒方議員問題の本質も突く。
「そもそも、もしのどあめをなめていたのが古手の男性議員だったら、処分されることなどなかったろう。熊本市議会の議員たちは、女性市議を出席停止にして溜飲を下げたかもしれないが、日本がいかに思いやりに欠けた男社会であるか、世界に向けて発信したことになる。『品位』を落としたのはどちらか?」
そのまっとうな目線、論考に握手喝采だ。さらに赤川先生は、ネットでの緒方議員に対する的外れな非難にも苦言を呈している。
赤川といえば、作家は政治的な発言をするべきではないとの考えを長らく持っていたが、15年の安保法制に接し「あまりにも状況がひどすぎるので、黙っていられなくなった」(「すばる」15年8月号/集英社)として、その後も安倍政権に対する批判を積極的に行っている作家でもある。今回、赤川先生は素敵なフェミ的視線も持ち合わせていることもわかった。今後もこの連載を楽しみにしたい。
今週の「週刊女性」は貧困や高齢問題などの社会ルポ、特集記事、連載が満載だ。パーキンソン病を患った49歳の息子を殺めてしまった73歳の母親とその家族の実情、東京五輪開催に沸く東京で追いやられるホームレスの実態、ライター・亀山早苗氏による何十年もひきこもりを続ける子どもを持つ高齢母親との対話ノンフィクション、生活保護一歩手前で医療費にも事欠く人々の苦悩――。まさに世相を映しているともいえるが、ノンフィクション雑誌が次々と休刊になっている現在、こうしたノンフィクションを掲載し続ける女性週刊誌の存在は貴重だ。