カルチャー
インタビュー

三田佳子の息子は4度目の逮捕――「二世タレントが薬物に手を出す」ワケを臨床心理士が考察

2018/10/06 19:00

 矢幡氏の話を聞くと、薬物で逮捕され、親の名前が大々的に報じられることは、生まれた頃から“親”の存在を意識してきた二世の心に、計り知れないダメージを与えることになるのでないか。

「薬物で逮捕された一般の人と、たとえ同じペナルティを科せられたとしても、メンタルへの影響は二世の方が大きいです。親の名声を傷つけてしまったのはもちろん、親が世間に『テレビでは活躍しているけど、子育ては失敗した』などと人格否定までされるわけですから、二世は一般人より、さらに自己否定が強くなると思いますよ」

 その逮捕による自己否定が、さらなる非行に走らせることも考えられ、「二世は一度失敗するとほかの人より這い上がるのが難しくなる」と矢幡氏は指摘する。

「二世を『二世としての葛藤』から救うためには……なかなか難しい問題ですね。周囲に親が有名人であることを隠し通すことくらいでしょうか。大物二世ができることとすれば、子どもに『大物二世』としての特別意識をなくさせるために、庶民の暮らしをさせてあげるようにするなどですかね」

 近年は、ママタレントが増加し、生まれた時からメディアに登場する二世も大勢いるが、「そうすると、すぐに世間に『誰それの子どもだ』とバレてしまいますから」と矢幡氏は、その危険性を指摘する。

 二世タレントが今後、事件を起こした際、安直な批判に走るだけでなく、彼らの“生きづらさ”とは何かを考えてみるべきなのかもしれない。

最終更新:2018/10/06 19:00
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