メルカリの“グレーな出品物”たち……弁護士が「法的にセーフかアウトか」ジャッジ!
昨今、爆発的な人気を得て、急成長を遂げたフリマアプリ「メルカリ」。「累計出品数10億品超え」というだけに、中には、違法性の高い出品物が散見されるとして、ユーザー間で物議を醸すことも少なくない。実際に昨年11月は、メルカリに「現金」を出品したユーザーが、「額面以上の価格で現金を販売することにより、法定利率の上限を超える利息を受け取った」ことにより、出資法違反(超高金利など)の容疑で逮捕。現在、メルカリでは、現金ならびに金券類、カード類の出品を禁止している。
ほかにも、法に触れる恐れがあることから、メルカリが出品禁止と規定しているものは数多く存在する。しかし、メルカリを見ていると、「これは大丈夫なのか?」と疑わしくなる、“グレーな出品物”が目に付くのも確かだ。そこで今回、ネット上で議論されている、メルカリのグレー名出品物が法的にセーフかアウトか、弁護士法人ALG&Associatesの山岸純弁護士にジャッジしてもらった。
キャラクターがプリントされた布を使用したハンドメイド品
アンパンマンやドラえもん、ディズニーなど、人気キャラクターがプリントされた布を使用して、出品者自身が手作りした巾着袋やティッシュボックスカバー、クッションなどが、数多く出品されている。著作権法に引っかかるのではないかと気になるところだが……。
【弁護士の回答】セーフ
「すでに、キャラクターが描かれた『布』を買った時点で、著作権料に相当する金銭を支払っています。その後は、どう使おうと購入者の自由なので、たとえ商売をしても問題ありません。ただし、キャラクターを模したハンドメイド品(キャラクターのぬいぐるみなどを手作りしたもの)は、アウト。著作権(複製権)侵害です」
クーポン券
店舗でもらったと思しきマクドナルドの紙クーポンに、数百円程度の値をつけて販売するなど、「無料で手に入れたクーポン券の出品」は、ネット上で「どうなの?」と物議を呼びがち。なお、メルカリの利用規約では、金券類の出品は禁止とされている。
【弁護士の回答】セーフ
「『割引券』は金券ではなく、『割引サービスを受けられる権利』を表象した紙です。譲渡することもできるので、出品するのは問題ありません」
硬貨
いわゆる「ギザ10」が、例えば「150枚(1,500円分)で5,000円」というように、実際の額面よりも高値で出品されている。ユーザーの中には、「コレクションとしての出品です」と注意書きを添えている者もいるが、現金を出品して逮捕者が出たことを考えると、疑問も浮かぶ。
【弁護士の回答】なんとも言えないが……セーフ
「現金の場合、メルカリを使って『金銭の貸し借り』をしていたと判断される場合には、出資法違反となります。しかし、『ギザ10』は、単に『珍しいモノ』として売るわけですから、特に問題はなさそうです。なお、古物商の許可証は原則いりません」