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「痩せる油」は幻想? ココナッツオイル、MCTオイル……栄養士が「ダイエット効果の真偽」解説
2018/09/17 16:00
ネットではほかにも、「オリーブオイル」「アマニ油」「MCTオイル」がダイエットに効果的だといわれているが、平井氏は、「『体重が落ちること』がダイエットという意味ならば、どの油でも無理です」と言い切る。
「オリーブオイルは、不足しやすい”不飽和脂肪酸“を多く含む油です。アマニ油も不飽和脂肪酸を多く含みますが、こちらは“多価不飽和脂肪酸”で、体内に入ったあと、代謝されてEPA、DHAとなります。しかし、どちらも“9キロカロリー/g”のエネルギーを持っていることは間違いありません。つまり、痩せるわけではないんです」
さらに、ヤシ科植物の種子核に含まれる天然成分である「MCTオイル」については、「病院では主に、“痩せたくない人”にMCTオイルを使います」とのこと。
「ココナッツオイルの中鎖脂肪酸は15%程度ですが、MCTオイルは100%。MCTオイルは特に、エネルギーの変換効率が良いので、腎臓が悪くてたんぱく質を制限されるなど、糖分か脂質でエネルギーを摂らないといけない人の食事に混ぜるんです。つまり、痩せないようにするために使われている。ということは、ダイエット効果があるわけがありませんよね」
“油”である以上、カロリーがある。当たり前と言ってしまえばそれまでだが、「油を飲んで楽して痩せられる」はやはり、幻想だったようだ。