さくらももこさん訃報――34歳、乳がんだった“私”が思う「向き合い方」と「乳がん検診」
さくらさんは再婚されていて、成人した息子もいるようですが、息子の誕生日を祝う様子をブログにアップしたりと、とても穏やかで温かい、それこそ『ちびまる子ちゃん』のような笑いのある幸せな家庭を持っていたようです。
家族と過ごすことを優先的に考え、つらい治療は避け、最期まで幸せな時間を過ごしていたのかもしれません。
保険が利かず高額ではありますが、体に負担の少ない「代替療法」をしている人も多いです。乳がん宣告当時の小林麻央さんや全身がんを告白している樹木希林さんも、そうだと聞きます。
当初の進行具合のステージが深刻でなければ、代替療法で治癒を目指すケースも少なくないのです。
“がん”という病気は「絶対に効く」保証のある治療方法がないのも特徴であり、標準治療でも完治できないこともあります。治療方法の選択は、その時「自分が何を優先するか?」が全てです。
私の乳がんは会社の健診で見つかりましたが、実はその3カ月ほど前から、右胸にあるシコリを自覚していました。
ですが、怖くて現実を直視できず「3カ月後の健診でわかるだろうし、まさか私が乳がんなワケないし……」と必死に思い込もうとしていました。あの時、勇気を出してすぐ検診を受けていたら……と、当時は後悔したものです。
自分を過信して無茶をし続ける事で、身体は悲鳴を上げていたのでしょう。
ですので、健康に自信がある方も、乳がん検診は必ず受けた方が良いと思います。毎年10月はピンクリボン月間です。たくさんの地域で、乳がんや検診の知識を深めるイベント等も開かれています。
最後になりますが、私が漫画家を目指すきっかけとなったのは、当時『ちびまる子ちゃん』が連載されていた漫画雑誌『りぼん』。楽しみや感動をくれた感謝の気持ちとともに、心からご冥福をお祈りいたします。
(白戸ミフル)
白戸ミフル(しらと・みふる)
会社員・恋愛コラムニスト(ライター)・漫画家・現役合コニスト。近著に『乳がんステージ4だった私が、それでも合コンに行きまくって救われた話』(キノブックス刊)
Twitter:@takara0722