精神障害が根本的な原因か……『ER』出演女優が警官に射殺される
アメリカの大ヒット医療ドラマ『ER緊急救命室』(以下、『ER』)で、キュートな看護師ウェンディ・ゴールドマンを演じていたヴァネッサ・マルケス(49)が、8月30日に警官に射殺されたという衝撃的なニュースが流れた。
米ニュースサイト「RadarOnline.com」は、ロサンゼルス郡保安局からの情報として「カリフォルニア州サウス・パサデナ市警察は、『集合住宅の女性住民の様子がおかしい。医療的なケアが必要だと思われる』との連絡を受け、確認するため住居を訪問した」と報道。30日の午後12時頃に現場に到着した警官は、「けいれん発作を起こしている女性」を発見。「医療的処置が必要だと判断し、救急医療隊員の出動を要請した」という。
また、警官は女性との会話を試みたが、「女性は非協力的」で、「言動から精神障害を抱えているのではないか」と推定。ロサンゼルス郡精神衛生臨床医の立ち会いのもと「1時間半以上、彼女に医療ケアを提供したいと説得し続けた」とのこと。しかし女性は興奮状態に陥り、「拳銃を手に取り警官に向けた」ため、「警官は女性に向けて発砲」。女性は被弾し、搬送された地元の病院で死亡が確認された。警官にけがはなく、「現場からセミオートマチックのエアガンとBB弾を回収した」と発表。そして、この女性がヴァネッサであることを確認したと明かした。
米ニュースサイト「TMZ」は、「当局は、ヴァネッサは摂食障害に伴う精神障害を抱えていたと判断したようだ」「摂食障害からくるけいれん発作を起こしたようで、心配した大家がサウス・パサデナ市警察に連絡」したと報道。警官は彼女の胴体に、少なくとも1発命中させたようだとも伝えた。
1997年に『ER』を降板した後、コメディ番組『Malcolm & Eddie』に数回ゲスト出演したほかは、ちょい役しか演じていないヴァネッサ。まさに“あの人は今”的な存在になっていた2005年、米A&E局のドキュメンタリー番組『Intervention』のシーズン1第2話に「買い物依存症」患者として登場。「2年前に自己破産して以来、無職」「父親を知らずに育ち、母親からは絶縁された天涯孤独」と紹介されたヴァネッサは、「(親から)愛されていない、子どももいない、キャリアもない。私にはなにもない」と涙ぐみ、買い物しているときだけ満たされるのだと説明。「重度のうつ病とパニック障害。広場恐怖症、強迫性障害に心的外傷後ストレス障害」に苦しんでいると激白し、「車を運転して買い物に行けたかと思えば、その後どこにも出られない状態が6週間ほど続く」「運転中にパニック発作を起こし、苦しくなることがある」「惨めさから逃れるために、対向車に突っ込みたくなる」「死にたくてたまらない」とも明かしていた。
『ER』をシーズン3で降板したことについては「詳しくは語りたくない」と述べ、精神科医のセラピーと投薬治療を受けていることも紹介。しかし、精神状態は芳しくなく、買い物依存がひどいため、友人たちが団結して彼女のリハビリ施設入所を説得するという内容だった。
13年前に複数の精神障害に苦しんでいた彼女が、すべてを克服することは至難の業だったのだろう。今回の報道では摂食障害も新たに加わっているため、射殺された当時、既往の精神障害も悪化していた可能性は大だ。