ディズニーランドの凋落始まる? 入園料再値上げ説に「混雑緩和も望めない」と専門家語る
値上げに混雑にと、ディズニーリゾートが顧客満足度を下げる要因がいくつも浮かび上がってきた。
「ゲストの質が下がっているのも、顧客満足度低下の要因だと感じます。ディズニーは『どんなゲストもおもてなしします』というスタンスで、多くのファンを生みましたが、一方で『キャストやキャラクターはどんなワガママでも受け入れてくれる』と勘違いして、迷惑行為に走るゲストも増えてしまった。また、キャストの質も低下しているようです。昨今の東京都内の人手不足と時給高騰により、人材がそちらに流れ、重労働かつ基本時給1,000円のディズニーバイトに人が集まらなくなっているというんです。アトラクションキャストなどの花形以外は、受けた人は誰でも受かる状態だそうですよ。あと、オリエンタルランドのブラック体質が報じられるようになったのも、若い世代を中心に好感度を下げている気がします。そういったさまざまな要因によって顧客満足度が下がっているのではないでしょうか」
顧客満足度の低下は、最終的に“ディズニーランドの経営悪化”につながるだろうが、中島氏は「今のところ、どの段階で顧客離れが加速するかはわからない」と慎重に語る。
「13~14年に比べて、若干来場者数が減少しているのは確かですし、15年にUSJが年間入場者数でディズニーシーを抜き、世界第4位になったことも話題になりました。その点だけ見ると、『東京ディズニー帝国の終わりの始まり』と言えるかもしれませんが、ランドとシー合わせて来場者数年間3000万人超というのは、日本国内において、USJ以外のテーマパークとは比べ物にならないほどの集客力を誇っていますし、もっと言うと、アメリカ以外のディズニーランドとも比べ物にならないレベル。また、日本政府は観光立国化を推し進めているので、たとえ値上がりや混雑、キャスト/ゲストの質の低下によって、国内の顧客満足度が下がり、来場者数が減ったとしても、増加する外国人観光客がそれを補填するとも考えられます。生涯で1~2回しか日本のディズニーランドに来ない外国人観光客は、高い入園料も混雑も『観光地だから』と割り切るでしょうし、日本語がわからないなら接客態度もそこまで気にしないかなと感じます」
度重なる値上げで、不穏な空気が漂っていることは確かなものの、しばらくは安泰に見えるディズニーランド。しかし、未来永劫、その牙城が崩れないとも限らないだけに、今後もその動向を注視していきたい。