ディズニーランドの凋落始まる? 入園料再値上げ説に「混雑緩和も望めない」と専門家語る
「東京ディズニーランドが、また入園料を値上げするらしい……」そんな話が、いまネット上のディズニーファンたちの間で飛び交っている。東京ディズニーリゾートを展開する株式会社オリエンタルランドの社長・上西恭一郎氏が、「フジサンケイビジネスアイ」のインタビューで、2019年10月の入園料引き上げを検討していると明かしたのだ。
上西氏は、19~20年にかけて、ディズニーリゾートは、新型アトラクションや大型施設の稼働を予定しており、「来園者に新しい価値を提供できる」と説明。確かに、19年には東京ディズニーシーの新アトラクション「ソアリン」、20年には東京ディズニーランドに「美女と野獣エリア」(仮称)がオープン予定で、さらに22年の開業に向けて、2500億円を投じる東京ディズニーシーの大規模拡張構想も進んでいる。オリエンタルランドは、値上げ検討報道について「現時点で確定事項はありません」と話しているものの、これまで値上げの判断は「ゲストの体験価値が上がったから」行われてきたというだけに、近い将来の値上げは待ったなしといえるのかもしれない。
ディズニーリゾートは、2010年代に3度の入園料(パスポート)値上げを実施している。11年、それまで大人5,800円だった入園料が、400円アップの6,200円に。14年は、そこからプラス200円の6,400円、そして15・16年には500円ずつ値上がりし、現在7,400円。ここ10年弱で1,600円も上がっているのだ。もし、来年10月に値上げが実施されれば、大人約8,000円になると予想される。
この値上げは、ディズニーリゾートの今後をどう左右するのだろう。近年、来場者の満足度の指標となる、公益財団法人日本生産性本部・サービス産業生産性協議会発表の「JCSI(日本版顧客満足度指数)」年間順位が、13年度は1位だったにもかかわらず、15年度11位→16年度27位→17年度36位と大幅下落しているが、値上げによって、さらにゲストの心が離れてしまうことにならないか。東京経営短期大学専門講師で、『なぜ日本だけディズニーランドとUSJが「大」成功したのか?』(三恵社)などの著者・中島恵氏に話を聞いた。