私立高校生が「TENGA」盗んで号泣、幼稚園児の犯行も頻発――Gメンが明かす少年万引きの実態
少年万引きで一番厄介なのは、商圏内にある学校で万引きが流行してしまうことです。ありがちな話に聞こえますが、被害店舗側からすればたまったものではなく、一度狙われてしまえば、まもなく死活問題に直面します。最近では、特定の衣料品店における集団万引きの摘発に挑みました。警戒対象は、近所にある高校の生徒さんたちです。この時には、1カ月かけて、2人の単独犯と3組のカップル、2人組の女の子、4人組の男の子を捕まえて警察に引き渡しました。共犯でやるということは、実行役以外の見張り役がいるということになり、その数が多いほど犯行の瞬間を現認するのは大変です。しかし、この現場の視界は良好で、自分の姿を見せることなく一部始終を目撃することができました。彼らの犯行現場となる死角にある棚は、仕切りが格子状になっており、存在に気づかれない限り目の前で見ることができたのです。
あまり知られていませんが、共犯関係での犯行は、単独犯より計画的であるという理由で罪が重くなり、その犯行態様によっては逮捕されることもあります。少年の万引きは共犯によることが多く、この時は4人組の男の子だけが逮捕されました。詳細は控えますが、防犯タグを無効化する特殊器具を用いて大量の商品を盗み出す犯行だったために、より悪質と判断されたのです。友人から注文を受け、安価で売却することを目的に繰り返し万引きしていた彼らは、特に不良という感じのしない普通の子たちでした。しかし、犯行を後悔するというより、私に捕まったことの悔しさが勝る態度に終始し、ほとんど話はできませんでしたね。警察署の講堂に並べられた大量の被害品から、彼らの底知れぬ欲望が垣間見えて、その浅ましさにウンザリした気持ちになったことだけが記憶にあります。