お盆休みはクスリでキメたい人が続出? 元女囚が語る、覚醒剤をやめるために必要なモノ
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
■警部や市議の息子もシャブで逮捕
毎日、ホンマ暑いですねー。昔は(シャブで)「悪い汗」をかいてましたが、今はアルコールで大量に汗かいてる中野です。
今年は関西も大きな地震があり、西日本は大雨。なんなんですかね。被災された皆様にお見舞い申し上げます。
さて、相変わらず芸能人や二世(「お父さん」の事件もありましたね)の覚醒剤事件は後を絶ちませんが、警察官など「偉い人」の事件も、たまにめくれ(明らかになり)ますね。私の知ってる薬物担当の刑事さんたちも、怪しい人が多かったですねぇ。「この刑事さんは、絶対に(シャブを)やってはる」と、心の中で勝手に決めつけていました(笑)。
で、先日は警視庁の50歳の警部がシャブ使用で懲戒免職になってますね。記事によると、「ジョギングの前に使用すると気持ちよく走れた」と言うてるそうで、これは相当使っている証拠です。シャブは、使ってからごはんを食べたり、寝たり、エッチしたりできるようになるには年季がいるんですよ。ましてやジョギングって……。「ビギナーさん」なら、マジ死にますよ。どうなってるんですか、警視庁!
……なんて書いてたら、岐阜のベテラン共産党市議さんの息子さんも逮捕(パク)られました。不良はともかく、こういう立場の方がクスリに溺れるちゅうのは、ストレスとかなんでしょうかね? なんとも微妙ですね。私が言うことではないですけど(笑)。
■覚醒剤をやめるには、家族の支えが何より
こういうのに比べると、大阪の路上で叫んでて通報された若い男性が警察に「シャブ飲んだ」と言ったあとに亡くなった……というのは、新しいパターンと言えます。これもどうしちゃったんですかね。夏だからですかね? 前にも書きましたが、夏休みやお正月休みにゆっくりシャブをキメたい人がいてるので、盆暮れは覚醒剤も値上がりします。
売人も何かとお金がいる季節やし、毎年の売り上げも知ってるので、それに便乗して値上げするのですが、それでも売れて品薄になるんですね。この時期は、売人同士で在庫の情報を交換したりしています。シャブを使わない方からすれば、「休みにゆっくりシャブを打ちたいって、何やねん?」と思われるでしょうね。でも、使用している人たちは、そんなものなのです。私も以前はそうでした。
今回パクられた警視庁の警部さんも、市議さんの息子さんも、シャブに手を出した理由は何だったんでしょうか? ちょっとした、つまらないきっかけだと思いますよ。まあ警部さんは、「前から薬物に興味があって、危険ドラッグも使ったことがある」ちゅうてたそうで、そもそもそんな人でも警部さんになれるのがすごいですけどね。
やめるには、やっぱり周囲の愛しかないですね。それでも時間はかかると思います。共産党市議さんも、ご家族との関係をよう見直して、息子ちんを支えたってほしいですね。
それで気になるのは、清原和博さんですね。離婚している清原さんに、支えてくれる方はいてるのでしょうか……。
7月末に著書『清原和博 告白』(文藝春秋)が発売されてベストセラーになっていますが、清原さんにまだ存在感があることを「元妻は迷惑そう」みたいに週刊誌が書いていて気になりました。
心から支えたいファンはたくさんいてますが、生活がちゃんとしないと更生は難しいですね。シャブはやめても寂しくてアルコールに走るとか、そういうこともあります。ほんまキヨにもがんばってほしいです。もちろん、私も、まだまだがんばりたいと思っています。
中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」
※この連載が本になりました!
『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)発売中です。