カルチャー
インタビュー

主婦やジャニオタもターゲットに? 被害急増の「メールレディー詐欺」の実態とは?

2018/08/04 17:00

池田成希氏

 メールレディーは、男性とサイト上でメールのやりとりをするというが、そのサイトは、「いわゆる出会い系サイトのようなもの」だという。最近では、大手企業が運営する、婚活を前提とした出会い系サイトも複数存在するが、「メールレディー詐欺で使われるサイトは、大手とは違い、素人が適当に作ったようなかなりチープなつくり」だそうだ。

「そこでやりとりする男性から、数百万~数千万円のお金を『あなたに渡したい』と持ちかけられます。恐らくですが、例えば『私は年老いた身で、周りに誰もおらず、数千万単位のお金が余ってしまっています。これを誰かに渡したいのですが、受け取ってくれませんか?』といったふうに話をされるんです。普通に考えると、そんなことは絶対にあり得ないのですが、信じてしまう女性がいるんですね。ちなみに、やりとりする前に、『あなたに報酬を渡したい男性がいます』とサイト側から持ちかけられるケースもあります」

 その後、「お金を渡すための手続きをしましょう」という話になり、その過程で、女性側に“お金を払わせる”よう仕向けていくのだという。

「例えば、サイト側から、『男性側から個人的にやりとりをするために連絡先を交換したいというリクエストがありました。ただ個人情報ですので、暗号化され、文字化けしています。それを解除するために、手数料をお支払いください』などと言われます。ほかにも、『別途、有料サイトに会員登録する必要がある』『パスワード発行のためにお金がかかる』など指示される場合もありますね。このパスワードに関しては、『○分以内にパスワードが打ち込まなかったので無効になった』『パスワードに不十分なところがあった』などと言われて再発行となり、また手数料を取られることも。こうやって詐欺業者は、女性にどんどんお金を払わせるのです」

 要求する額については、サイトによってまちまちだというが、「最初は5000円くらいから、次に2~3万円など数万円の単位で要求していきます。その後は、数万円単位の要求を何回か行う業者もあれば、一気に数十万円を要求する業者もあります。恐らく業者側は、数万円のあたりで、女性側の反応を見て、次の要求額を決めているのではないかと思われます。例えば、ノリ気でやりとりをする女性であれば、次はもう少し高額にしよう……などと」。

 女性が「これはおかしい」と気づくのは、「個人差はあるものの、自分では払えない請求金額が来たタイミング」だという。

「1回のやりとりでは詐欺だと気づく方はあまりいません。数回やりとりをして、被害金額が10万円前後から30~50万円程度になってから気づくパターンが多い。つまり、1回でも支払ってしまう方は、3回、4回、5回と支払ってしまうものなのです。また、途中で『おかしいかもしれない』と気づいていても、『ここまで払ったんだから、お金をもらえるまで引き下がれない』と思い、支払ってしまう方もいます」

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