ベーカー街221Bへのこだわり、意外な人物たちの出演……ドラマ『SHERLOCK シャーロック』のトリビア10選
ワトソンの妻となったメアリー・モースタンを演じるのは、ワトソンを演じるマーティンと事実婚状態にあったアマンダ・アビントン。ドラマの脚本家であるマーク・ゲイティスの自宅で、プロデューサーのスティーヴン、マーティンと共にシーズン2の放送を見ていた時、「次のシーズンのことについて話し合いたいんだ」と言われ、「アマンダ、メアリー役を演じてみないかい?」とオファーされたとのこと。アマンダは、一瞬「大勢の女優が喉から手が出るほどほしいであろう重要な役を、オーディションもせずに私が受けていいのか」と迷ったそうだが、喜んで了承した。
スタッフ陣は、マーティンとアマンダなら自然に夫婦役を演じられるだろうと考え、アマンダの役をオファーしたとのこと。しかし、実生活の2人はは16年に破局。ドラマでは問題なく夫婦役を演じ続けている。
8.ロックバンドのボーカルが一瞬だけ出演
シーズン4の最終話でワトソンが倒れている大男の元に駆け寄るシーンがあるが、海賊(バイキング)の衣装を着たこの大男はイギリスのロックバンド「ザ・ジャム」のフロントマン、ポール・ウェラーである。ワトソン役・マーティンの親友であるため、友情出演した。最後の方にチラッとしか映らなかったが、エンドロールに「ヴァイキング:ポール・ウェラー」とクレジットされ、ザ・ジャムやポールのファンは大喜びした。
9.中国では、シャーロックはゲイ・アイコン!?
シーズン3第1話で、シャーロックがジェームズ・モリアーティとキス寸前となるシーンがあるが、番組を手がけるマーク・とスティーヴンは、シャーロックのセクシュアリティについては常にぼかしている。スティーヴンは、「オリジナルの小説にはシャーロックが、無性愛者(他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かない人)であるとか、ゲイであるとかは明記されていない」と説明し、だからこそ自由に描いているそうだが、その繊細で中性的な魅力が中国の何百万人もの腐女子たちの心をつかみ、「ゲイ・アイコン」としてあがめられるように。シャーロックとワトソンを「恋人」にしたパロディ同人小説もあり、大盛り上がりしているのだ。
中国腐女子たちは、シャーロックは巻き毛だから「巻福(福はホームズにちなむ)」、ワトソンには発音が似ている「花生(ピーナッツ)」という愛称をつけ、2人の恋人っぽいシーンを中国の動画共有サイト「BiliBili」に投稿しては興奮。本来なら中国において、こういうことはご法度なのだが、だからこそ大盛り上がりしている。ちなみに本作は、日本でも腐女子のハートをガッチリつかんだ。
なお、ベネディクトは、シャーロックのセクシュアリティについて「見る人の解釈により、違って見える」と捉えている。また、「無性愛者だという人から、『自分たちの代弁者的キャラクターを演じてくれてありがとう』と感謝されたことがある」と明かした。
10.スタントも「半分」がんばるベネディクト
シャーロックのイメージに近づくため、髪を黒く染め、体重を落としたベネディクト。ストイックな役作りをすることで知られる彼は、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013)で悪役カーンを演じるために1日4,000キロカロリー分を食べて体重を増やし、撮影直後、再びシャーロック役のために短期間で体重を減らしたこともある。
そんな彼はアクションシーンの多くも自ら演じており、シーズン2でビルから飛び降りる衝撃的なシーンを「半分やった」と告白。屋上から飛び降りたのはスタントマンだが、顔が見えるアップのシーンのために、ワイヤーを付けて、ある程度の高さからバンジージャンプのように飛び降りるスタントをベネディクト自身が行った。本人は「とてもエキサイティングなスタントだったよ」「高い屋上から飛び降りるのは自分じゃないけど」と、満足げに明かしている。