認知症患者の万引き癖、罰金の腹いせに放尿……「老害」に悩まされるGメンの葛藤
こんにちは、保安員の澄江です。梅雨も明けて、いよいよ夏本番。殺人的な酷暑の中、しんどい思いをしながら日々の現場に向かっておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私たちの現場であるスーパーの店内は、全体が冷蔵庫のようなものなので、服装を間違えただけで体調を崩すことにつながります。かといって、季節に合わない服装で現場に入れば、その違和感から正体がバレてしまい仕事になりません。そんなにたくさんの洋服を持っているわけもないので、この微調整がなかなか難しく、毎朝頭を悩ませている次第です。
「ナタで店員襲った75歳の男」に身の震える思い
先日、群馬県前橋市のスーパーで、その店の副店長と女性店員が2本のナタを持った75歳の男に襲われ、重傷を負うという事件が起こりました。報道によれば、男は過去に万引きで捕まったことや店内でわめき続けたことを通報されたそうで、それを逆恨みして犯行に及んだといわれています。もしかしたら万引きして捕まった時に、お店の人や保安員から許せぬ言葉を吐かれたのかもしれません。その真相はわかりませんが、いずれにせよ迷惑客の逆恨みによる凶行であることに変わりなく、身の震える思いがしました。もし自分の現場でこのような事件が起きたら、どうすべきか。そんなことも考えてみましたが、刃物を持った男に立ち向かう勇気はなく、大声を出して危険を周知させて逃げることくらいしか思いつきません。罪を憎んで、人は憎まず。現場における被疑者の取扱いをひとつ間違えてしまえば、こうした災難が我が身に降りかかる可能性もあるので、今後も気をつけて対応していきたいと思います。
最近は、老害という言葉があてはまるような迷惑客を、さまざまな商店で頻繁に見かけるので、どこの店でもこうした事件が起こる土壌があるといえるでしょう。勤務中、店内の死角通路に放尿したおじいさんを捕まえたときには、その思考回路を疑いました。放尿後まもなく声をかけて事務所に連れて行くと、この店で万引きして捕まり、罰金を支払うことになったから、その腹いせに小便をしてやったんだと居直るのです。パンに針を混入されたり、トイレや寝具などに放火する事例もあれば、犯人グループに囲まれて袋たたきにされた保安員もいました。万引きとはいえ、相手は犯罪者ですから、どんなことをしでかすかわかりません。この仕事を続ける限り、その恐怖が消えることはないでしょう。