カルチャー
上智大学法学部・三浦まり教授インタビュー
女性議員はいなくてもいい!? “政治家の質向上”に必要なことを専門家に聞いた
2018/06/23 21:30
女性議員が少ない現状、どのような弊害が生じているのだろうか? まずは、妊娠や育児に関する問題解決が後回しになっていると、三浦氏は言う。
「一般に女性が関心を持つ分野は、外交や防衛、経済対策などに比べて、政治的に重要ではないと思われがちで、政策に反映されないことが多くあります。たとえば、不妊治療や待機児童、セクハラ問題などは、これまで政治的な場での議論がなかなか進まず、解決が先延ばしになってきました。女性と男性で物の見方や優先順位が異なる政策をめぐっては、現状では男性側の主張が通ってしまいがち。しかし、女性議員が増えれば、ゆがんだ構造は是正され、バランスの取れた議論が生まれるはずです」
現状では、少数の女性議員が世の中の女性の声を代弁する形になっているが、女性議員が増加し、男女の数が均等になってくると、女性の「代弁」という役割ではなく、個々人の特性が生かされた動きができるようになるとも、三浦氏は語る。
“女性議員”から個人としての議員へ――そうした政治の変化に伴い、社会においても固定的な男女役割が柔軟に変わっていくことが期待できる上、女性議員が増えれば、男性議員間の競争もより激しくなり、政治家の質が上がると予想されるのだ。