『正義のセ』吉高由里子、『未解決の女』波瑠……春ドラマ業界評で“明暗分かれた”女優
吉高由里子が約1年ぶりに主演を務めた連続ドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)だが、業界内での前評判は高かったものの、全話平均視聴率9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、不発に終わった。一方で、主演ドラマが安定して高視聴率を維持し、今期の主演作『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)でも全話平均2ケタを達成した波瑠については、評価が高まっているとのこと。吉高と波瑠は、同じ20代の主演級女優ながら、春ドラマにおいては、明暗が分かれることとなったようだ。
業界関係者の“春ドラマ下馬評”では、嵐・二宮和也主演『ブラックペアン』(TBS系)は確実にヒットするといわれており、『正義のセ』もそれに続く“鉄板作”と目されていた。ところが、最高視聴率を記録したのは初回の11.0%で、以降は1ケタ台を連発することに。
「『正義のセ』の放送枠は、吉高の前主演作となる『東京タラレバ娘』と同じ日テレ水曜午後10時枠。こちらは全話平均11.4%と、それなりの結果を残していました。もともと同枠は、現在のドラマ界では数少ない、確実に数字が見込める“鉄板枠”だったものの、前クールの広瀬すず主演『anone』が平均6.1%と大コケ。この枠自体がパワーダウンした感も否めませんが、吉高自身も『そこまで潜在視聴率を持っていない』という印象を業界関係者に持たれてしまったのかなと感じています」(テレビ局関係者)
一方の波瑠は、『未解決の女』に主演して、全話平均12.9%という結果に。2016年7月期に主演した刑事ドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)は全話1ケタだったものの、同じ刑事ドラマである『未解決の女』で、その汚名を返上した。テレビ関係者の間では、放送前から「テレ朝の刑事ドラマは人気が高いだけに、ある程度の数字は見込める」といわれていたが、波瑠自身の評価もうなぎのぼりだという。
「波瑠は、『過密スケジュールでも、まったく磨耗しないタフさ』が、特に高評価につながっています。彼女は、17年1月期『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK)、同4月期『あなたのことはそれほど』(TBS系)と、2期連続で連ドラ主演を務めていますが、これは芸能界で“タブー視”される向きもあるほど、過酷な働き方。主演だけでなく、ヒロインでのドラマ出演も続いていることから、関係者の間では、『こんなハイピッチでドラマに出ていたら、体力、気力ともに消耗され、女優として短命に終わってしまうのでは』などと心配されていたものです。しかし、当の本人はどこ吹く風のようで、すでに夏ドラマ『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)での主演も決定しています」(同)
女優として先にブレークしたのは吉高だが、少なくとも連ドラ主演における戦績や評価は、現状、波瑠がリードしているようだ。