カルチャー
インタビュー【前編】

有村藍里が、妹・架純に劣等感抱くワケ――精神科医が語る、姉妹間の“容姿コンプレックス”

2018/06/27 17:00

――一方で“容姿”コンプレックスとは何かについても、詳しくお聞きしたいのですが。

茅野 若い女性にとって、“美しさ”は絶対的な価値観と考えられがちで、美しくなるために多くの時間と労力、お金を費やす方がいます。決して醜くないのにもかかわらず、人と比べ自分がブスだと思い込んでしまう……それが容姿コンプレックスです。ひどくなると「醜形恐怖」と言われ、自分の容姿容貌が醜いのではないかと恐れ続ける心の病気につながるケースもあります。

――病的なまでに容姿コンプレックスを感じてしまう精神状態=「醜形恐怖」ということでしょうか?

茅野 彼女たちに共通する精神状態として、“ボディイメージの障害”があります。彼女たちは、“否定的な自己像”を抱いており、常に「自分はブスなのではないか」「太っているのではないか」「周りから受け入れられないのではないか」などと恐れ、悩んでいます。そして、周囲の視線を過剰に気にして“対人恐怖”となってしまい、自分の顔・形を変えることに執心するようになります。

――例えば、整形を繰り返してしまうとか。

茅野 はい。しかし、整形手術を契機に生まれ変わったように人生が明るくなる方もいらっしゃるようです。私の大学時代からの友人に、湘南美容外科の相川佳之先生がいますが、彼いわく「心療内科医や精神科医と同じように、僕らは美容整形外科手術を通して患者さんの『心』も治療している」とのことで、整形によって気持ちが満たされ、容姿コンプレックスが改善されるなら、それも1つの手だと思います。

―― 一方で、他者から見て明らかに不自然なほど整形を繰り返し、にもかかわらず「もっと手術をしてほしい」と執着してしまう人もいますよね。

茅野 キレイになっているのにもかかわらず、自分を客観視できなくなってしまうということですね。「自分はブスなのではないか」という思い込みから逃れられなくなってしまう。醜形恐怖とは、さまざまな要因が重なってなることもあるので一概には言えませんが、幼少期からの両親との愛情関係が影響するとも言われています。

(後編につづく)

最終更新:2018/06/28 18:35
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