男性保育士は「娘の排せつ介助しないで」! 園へのクレームで孤立した“女の子ママの苦悩”
保育園、幼稚園、小学校、おけいこ事の教室などでは、日々子どもの保護者と施設側の間でトラブルが発生している。ほんの些細なことでも、自分のこと以上に気になってしまうのが親心というものなのか。わが子のことを思ってとクレームを入れるママもいれば、モンペと呼ばれることを恐れて我慢するママも。そんなトラブル事例とママの葛藤をつづる。
アラサーやアラフォー世代には馴染みの薄い“男性保育士”という存在は、まだ全体的な割合は低いものの、都市部の保育園では珍しくなくなってきた。今回は、女性が当たり前だと思われていた保育士という職業に、男性が進出してきたことで見えてきた数々の問題やトラブルについて迫ってみたいと思う。今年4月に、家庭福祉員(保育ママ)宅での保育から、大型保育所に娘を転園させた香苗さん(仮名)は、こう語る。
「私は勤務時間が短いために、なかなか娘を保育園に入園させられず、保育士資格のある家庭で子どもの面倒を見てくれる保育ママさん(家庭福祉員)を利用していました。定員も3名だったので、保育ママさんには、娘を自分の孫のように可愛がってもらっていましたね」
しかし、3歳になると保育ママの制度が利用できなくなるので、再度の保活の末、大型保育園に転園することになった。
「転園先の保育園へは施設見学などを行いましたが、園庭もあって広くて、設備には問題はなかったんです。ただ入園してみて、初めて男性保育士がいることを知りました。もし事前に知っていたら、第2希望の保育園にしたのにと悔やんでいます」
入園した保育園では、3歳児クラスを若い男性保育士が担当していた。入園後に知らされたため納得がいかなかった佳苗さんは、園長に保育の分担について説明を求めた。保育士はシフト制のため、男性保育士がタイミングによってはおむつ替えや、排せつの手伝いなど行うケースもあると説明を受けた。
「ある時、娘が手を壁につけて“わんわんポーズだよ”と言ってお尻を突き出したんです。なんのことだろうと思って聞いてみたら、大きい方を排せつした時に残った汚物を拭きやすいようにするポーズらしく……。こんな恥ずかしいポーズを男性保育士がさせていると思ったら、いてもたってもいられず園長に男性保育士を外してもらうように相談しました」
佳苗さんは、着替えや排せつ介助は女性保育士で対応をしてもらいたいと、園長に直訴。しかし、園長から得られたのは「人員の都合や、排せつのタイミングによっては、男性保育士が対応することもあるので了承してもらいたい」という口頭での説明だけだった。
また佳苗さんは、娘が女性保育士に甘えるように、体格の良い男性保育士に抱っこしてもらったり、膝の上に座っているのを見て、「娘は嫌がるそぶりこそ見せていないけれど、過剰なスキンシップなのでは……」と、違和感を覚えたという。
「男性保育士に不信感を覚えるのは自分だけなのか?」と、ほかの園ママに聞いてみても、「体力のある男性保育士は、子どもと一緒に遊べるのでいてほしい」という男児ママからの賛同の声や、「あの男性の保育士さんは、下のクラスからの持ち上がりだし、仕方ないよ」と割り切っているケースはあったが、断固として配置換えを希望しているのは彼女だけ。佳苗さんは親しいママ友もできず孤立してしまったという。