金正恩の“親友”であるデニス・ロッドマン、米朝首脳会談実現に感極まって涙
6月12日に行われた史上初の米朝首脳会談。この日を誰よりも待ち望んでいたのが、2013年から何度も訪朝し、金正恩・朝鮮労働党委員長を“親友”と呼ぶ、元NBAプレーヤーのデニス・ロッドマンだ。彼は会談当日の早朝、公式に招待されているわけでもないのに、喜々として開催地のシンガポールに乗り込んだ。
デニスは、会談開始の時間に合わせ、トランプ大統領支持者のグッズである赤いキャップをかぶって米ニュース専門チャンネル「CNN」に出演。耳、鼻、唇につけた銀のピアスを光らせながら、「誕生日プレゼントとしてプロバスケチームの試合開催を約束し、実現したら、“私やこの国に対して約束したことを守った人はあなたが初めてだ”と喜んでくれた」と、金委員長との思い出を回想した。
そして「5年前、彼から米大統領に3つのことを伝えてくれと頼まれた」「なのにオバマ(前大統領)はオレを何度もスルーした」と非難し、「オレは言った! みんなに言った! (北朝鮮外交の)ドアは開くって」と、かみしめるように述べた直後、感極まって声を詰まらせた。
スタジオのキャスターが「えぇ、覚えてますよ」と冷静に返す中、デニスは頭を振り「アメージング(すごい)。これはアメージングなことなんだ」とブツブツ。と思いきや、震える声で「だって、オレがそう言った時は!」と感情をむき出しに。キャスターは「おいおい泣くのかよ」という顔で戸惑うが、デニスは構わず「オレが(北朝鮮から)戻ってきた時、『殺す』という脅迫をたくさん受けた! オレは北朝鮮を信じた、それだけなのに帰ったら……いや、家には帰れなかったんだ! 30日間も自宅に帰れず、身を隠さなければならなかったんだ!」と唇を震わせながらまくし立てた。
サングラスのおかげで泣き顔は見せずに済んだが、デニスは感情を抑えきれず、「でもオレは自信を持ってたんだぜ、ブラザー! なぜなら事態は変わるって知ってたからだ! オレは変化が訪れるって確信してた! オレだけが信じてた! 誰もオレの言うことなんて信じてくれなかったけどなっ!」と鼻水をすすり、「オレはみんなの批判や脅迫を全て受け止めた! 堂々とな!」と頬を伝う涙を拭いもせず、「今日はマジでみんなにとっていい日なんだぜ! シンガポール、東京、中国にとってもな! それを見るために、オレはここに来たんだ。すげぇうれしいんだよ!」と熱弁した。
ようやく涙を拭うデニスに、キャスターは「あなたを知る人は、誰しもあなたがいかに感情的な人かを知っていますけどねぇ」と言葉をかけつつ、「なぜ、北朝鮮のためにここまで頑張るのですか?」と質問。デニスは13年の初訪朝を振り返り、「チャリティ感覚で行ったら、マジでいい国だったんだよ」と回答。「金正恩は英語を話せるんですか?」という質問には少し間を置き、「ちょこちょこわかるっていうか、バスケの話なら大丈夫だけど。でもバカじゃないから」と回答していた。