カルチャー
詩人・文月悠光さん×男の娘・谷琢磨さん(実験台モルモット)対談

男女がわかり合うにはどうすべき? 詩人・文月悠光と男の娘・谷琢磨が語る「セクハラ問題」

2018/06/08 16:00

――男性と女性がわかり合うには、どうすればいいのでしょう?

 これは多分、わかり合えないから、人類は繁栄しているんですよね。お互いが理解し合える立ち位置だと、興味を持てなくなるというか。

文月 でも、「わからない」って大事だと思います。「わかるでしょ?」と思った途端に、甘えが生じる部分がありそうです。体の仕組みが違う以上、根本的なところを理解してもらうのは難しい。その了解がある上で、じゃあどうやって自分の生きづらさや要望を伝えていくか、というところが重要だと思います。

 そうですね。男性と女性の生活スタイルに差がある以上は、お互いわかり合えないですよね。異性に対する理解は深まらないと思うので、女性がすっぴんで街を歩いて何も起こらない日常を味わったり、男性もスカートをはいて痴漢に遭遇して嫌な思いをしたり、それぞれが男性・女性の生活を体験する日を1日設けたほうがいいと思う(笑)。

 女性は身だしなみからして、男性よりも時間とお金を使っているし、それが気持ちの面で自分に与えている影響はとても大きいです。逆に、男性は寝坊をしたとしても、布団から出て、着替えるだけで外に出られるという日常が、女性にはわからないでしょうし。

文月 そうして互いの立場を体験して、気持ちの部分も含めて理解できれば、異性に対してモヤモヤすることは減る気がしますね。
(姫野桂)

文月悠光(ふづき・ゆみ)
詩人。1991年北海道生まれ。16歳で現代詩手帖賞を受賞。高校3年の時に発表した第1詩集『適切な世界の適切ならざる私』(思潮社)で、中原中也賞、丸山豊記念現代詩賞を最年少で受賞。詩集に『屋根よりも深々と』(同)、『わたしたちの猫』(ナナロク社)。最近では、エッセイ集『洗礼ダイアリー』(ポプラ社)、『臆病な詩人、街へ出る。』(立東舎)が若い世代を中心に話題に。NHK全国学校音楽コンクール課題曲の作詞、詩の朗読、書評の執筆、詩作の講座を開くなど、幅広く活動中。

谷琢磨(たに・たくま)
切ナ色歌謡ロックバンド「実験台モルモット」コエ担当。女装モデル、タレント、絵描きとして活動。『バイキング』(フジテレビ系)女装コンテスト優勝。『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)ゲスト出演。

最終更新:2018/06/08 16:00
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