セクハラ疑惑のモーガン・フリーマン、「反省はしているが、性的暴行と同等に扱うべきじゃない」
人気映画シリーズ『ブルース・オールマイティ』(2003)で神様役を演じたり、米ナショナルジオグラフィックチャンネルの“神”を探求する人気ドキュメンタリーシリーズのナビゲーターを務めるなど、“神”に縁の深いハリウッド俳優のモーガン・フリーマン。「聞くと心が落ち着く」と万人受けする声の持ち主で、映画『エンド・オブ・キングダム』のプロモーションを兼ねて録音した、グーグルのGPSナビのモーガンの声は「安心して運転できる」と大好評。このほか、FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグが手がける家庭用AI「Jarvis」にもモーガンの声が採用されている。
“神”のイメージと人々をリラックスさせてくれる声を持つモーガンだが、5月24日、米ニュース専門チャンネル「CNN」は、彼が撮影所や映画製作会社で働く女性に対してセクハラ発言やお触りなどの“性的違反行為”を日常的にしていると報じた。
同局の女性レポーターは、妊娠6カ月の時にモーガンに取材したのだが、体を性的な目で見られたうえ、しつこく胎内回帰願望を聞かされたのだとか。非常に不快な気持ちになり、「私だけじゃないはず」と、業界の女性たちに聞き込みを行うと、16人の女性から、モーガンに「体形についてキモいことを言われた」「“どれどれ、下着ははいてるのかな?”とスカートめくりをされた」などのセクハラ行為を受けた/または目撃したとの証言を得たという。
一方、長年モーガンに取材を行ってきた米シカゴのテレビ局「WGN‐TV」の女性プロデューサーは、CNNの取材に対して「セクハラといってもみんながいる前でのことだし、明らかに“冗談”」だと擁護しつつ、一度だけ不快な思いをしたことがあると証言。
この報道を受けて、モーガンはすぐに「不快な気持ちにさせるつもりはなかった」と謝罪声明を発表。翌25日にも「場を和ませるための冗談のつもりだった」と弁解しつつ、「おぞましい“性的暴行”と“見当違いのお世辞やユーモア”はまったく違う。同等に扱うべきではない」「不快な思いをさせるつもりはまったくなかったが、そうさせてしまったことは反省している。これからも謝罪し続けるつもりだ」という追加声明を出し、ハーヴェイ・ワインスタインらのように「嫌がる女性に性的暴行」したり「権力を使いセックスを強要」した犯罪行為と同等に見なさないでほしいと訴えた。
ゴシップ好きなネット民は「血がつながっていないとはいえ、45歳も年下の孫娘と長年にわたって性的関係を持っていたジジイだし」と、09年に米タブロイド紙「ナショナル・エンクワイアラー」が報じたゴシップ(双方とも事実を否定)を引き合いにし、「若い子が好きで、ちょっかい出すんだろうな」と納得。一方で、大手ゴシップサイト「TMZ」が実施した、モーガンのセクハラについて信じるか否かを問うアンケートの結果は半々に分かれ、「若い女性の気を引きたいエロじじいってだけなのに、騒ぎすぎ」とモーガンに同情する人も。
“神”のイメージを持たれていたモーガンだけに、名誉を挽回するためには、心からの謝罪と人並み以上の時間が必要かもしれない。