美容・健康
インタビュー

「毎日シャンプー」でも9割の人に毛穴汚れ!? 現代人は「髪洗いすぎ」「潔癖」の真偽をプロに聞く!

2018/05/31 16:00

 「月2回は髪を洗って下さい」「夏の髪洗いは5日に1度!」――先日、ネット上で昔のシャンプー広告に記載された洗髪頻度が話題となった。その広告によると、約90年前(昭和初期)の洗髪頻度は月に1回、約50年前でも5日に1回程度で、“毎日シャンプー”が浸透し始めたのはたかだか40年前らしいのだ。

 これに対し、ネット上では「今では考えられない」「夏は毎日洗わないと匂いが気になるけど、昔の人は気にならなかったのかな?」などの意見のほか、「今の日本人は清潔になりすぎ」「洗いすぎて逆に頭皮を傷つけ、髪にダメージを与えている」「昔にならって、洗髪頻度を落とそうかな」などといった意見もあり、物議を醸したのだ。

 とはいえ、今はカラーやパーマと、ヘアスタイルも多様化している上、ヘアスタイリング剤も日常的に使用したり、大気汚染や食の欧米化など、昔とは違う面も多く、「昔にならって洗髪頻度を落とす」というのはいささか疑問。そもそも現代人は“髪を洗いすぎている”のだろうか? 髪や頭皮に一番良い洗髪頻度とは、一体どの程度なのだろうか?

 今回、パーソナルビューティーアドバイザーとして、毛髪診断士、美容師、アロマセラピストなどの資格を持ち、多数メディアで活躍中の齊藤あき氏にお話を伺った。

人によっては、2日に1回でも問題ない

 “毛髪診断士”とは、「毛髪に関する知識と、顕微鏡などを使って毛髪の状態を的確に観察する技術を習得した者。毛髪についての悩みを持つ人の相談を受けて適切な髪の手入れ方法などをアドバイスする(公益社団法人日本毛髪科学協会より)」資格を有した人のこと。齊藤氏は毛髪診断士以外にも、東洋医学やアロマラピーなどの豊富な知識も生かし、延べ5万人以上に施術やアドバイスを行った、まさしく“髪の毛のプロ”である。

 そんな齊藤氏に、現代人にとって髪や頭皮に一番良い洗髪頻度を聞くと、「髪も頭皮も一人ひとりまったく違うので、『何回が一番いい』とは断言できないんですよ」という回答を得た。

「その人の年齢、頭皮の状態、髪の状態、スタイリング事情、生活習慣、どんなシャンプーを使っているのか、などを総合的に考えて、自分に合った頻度で洗うことが一番です。例えば、空気の悪いところで働いていたり、毎日外で汗をかくような職業の方だと、やはり頭皮の汚れはたまりやすいので1日1回はシャンプーした方が良いです。逆に、在宅やデスクワークでまったく外に出ないという方は2日に1回でも問題ありません」

 とはいえ、年齢や生活習慣は自分でわかっても、「自分の頭皮がどんなタイプなのかわからない」という人も多いだろう。齊藤氏は「自分の頭皮は肌質と一緒なので、肌がかさつきやすかったら頭皮もかさつきやすい、肌がべたつきやすかったら頭皮もべたつきやすいと考えて大丈夫ですよ。自分での判断だと不安だという人は、通っている美容院で聞くのもいいですね」と提言した。

 現代人、特に若い世代は、「1日に1回」少なくとも「2日に1回」髪を洗うのが主流であろう。齊藤氏の話からは、個人差はあれど、総じて、現代人が洗いすぎではないことがわかるが、一方で、「1日2回」という人は、齊藤氏はいわく「さすがに潔癖になりすぎかもしれません」と感じるそうだ。

「洗いすぎは頭皮へのダメージにつながり、結果的に皮脂分泌を増やして臭いがでてしまうことも。『こんなに洗っているのに頭皮の臭いがするのはなんで?』と思っている方は、洗いすぎが原因かもしれません」

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