サイゾーウーマンカルチャーインタビューSNS全盛の今、風俗嬢が「怖いこと」 カルチャー 『リアル風俗嬢日記』著者インタビュー・後編 盗撮、GPS、Twitterのアカウント暴露……SNS全盛の今、風俗嬢が「怖いこと」とは? 2018/05/13 19:00 カルチャーインタビュー風俗嬢 怪しいスーツケースの「置き場所」 作中、Ω子さんは「職場にも友人の理解にもとても恵まれている」としているが、それは風俗嬢として「当たり前の環境ではない」と自覚する。だからか、「こんなにきれい事ばかりのはずがない」といった声も届くという。人の捉え方は千差万別だ。離れる友達や家族もいれば、そうでないこともある。風俗で働くことにより「何が起こるのか」にまで想像力を働かせるためには、『リアル〜』は等身大で知ることができる教材にもなりそうだ。 ――数字では割りきれないと思いますが、あえて比率にすると、楽しい:つらい、どうでしょうか? Ω お客様によりけりです。いいお客様だと、楽しい7:つらい3。面倒くさいお客様は、楽しい0:つらい10。だから、トータルで5:5くらいですね。 ――嫌な客、というと、作中に登場した帰宅時に待ち伏せる男が浮かびます。 Ω 私は経験はないですが、すごくきれいでサービスも素晴らしく、すぐに予約で埋まってしまう子がいるんですが、彼女は出待ちされていると聞いたことがあります。目的は、「店外デートに誘いたい」とか、「プライベートの姿が見たい」とかだと思いますが、最近はスタッフがいろいろと対策をしているようです。 ――スマホの普及による盗撮被害などはいかがでしょうか? Ω 講習時に指導されて、お客様のカバンは戸棚の戸の裏に置くようにしています。どうしても入らない大きさの場合、体から見えない死角に置いています。 ――動きの怪しい客はいませんか? Ω 一度、スーツケースを持った方がいて、いつも通り戸の裏に置こうとしたら、「いや! いいから、こっちに置いておいて」と怪しいことを言うので、そのときはスーツケースのファスナー部分が埋まるように、さりげなくバスタオルを乗せました。 ――あくまでもさりげなく。 Ω 「警戒されている」と思うと、お客様も落ち着かないでしょうしね。 ――機転を利かせなければならないことが、本当にたくさんあるんですね! 『リアル〜』は、面白いエピソードだけではなく、そうした数々の体験も昇華されており、「楽しそうだから」と手放しで憧れる読者の方へのブレーキにもなりそうです。 Ω そうした、読者の方に対して「ちょっと待って!」という意識を持ち出したのは、ごく最近です。描き始めた頃は、「とにかく楽しんでもらいたい」という気持ちの比重が大きかったですね。エピソードもすべて描いているわけではなく、面白くなりそうなことを取捨選択してるし、ギャグにもならない嫌な客のことは描いていません。そういうドロドロしたものは、それが得意な人が描いた方が面白いでしょうし、私は笑いながら楽しく読める漫画が好きなんですよね。誇るわけではないし、かといって卑下もしないけど、腫れ物として扱われるのは違う。だから、「こういう世界もあるんだ」「こういう人もいるんだ」とフラットに読んでいただき、楽しんでもらえたらうれしいです。 (文=有山千春) <著者プロフィール> Ω子/おまΩ子(おめが・こ/おまおめこ) 電子コミックサイト・めちゃコミックで『リアル風俗嬢日記』を連載中。単行本第2弾『リアル風俗嬢日記〜今日も元気にヌいてます〜』(竹書房)は、5月17日発売。 前のページ1234 最終更新:2018/05/13 19:00 Amazon リアル風俗嬢日記~今日も元気にヌいてます~ (バンブーエッセイセレクション) フラットな関係を保てるのは、やっぱ人徳! 関連記事 「調教されて風俗入り」は意外と多い? “家畜部屋”で暮らした女性の“リアル”な過去とはアラフォー風俗嬢が見た、本番ナシの風俗が生んだ「膣でイケない男たち」の悲しみアラフォー風俗嬢がボロ泣きした、リアルなソープ嬢マンガと感動的な童貞作アラフォー風俗嬢が明かす“性を嫌悪する”オジサン――童貞喪失で傷を負った男たちセックスを仕事にする女が「かわいそうな女」とは限らない――風俗嬢と教師の価値観のズレ 次の記事 城島茂、永遠のパートナー去る >