“週末起業女子”の絶望的な現実! 経営コンサルタントが驚愕、お粗末な「セミナー」実態
本業はOLだけど、自分にしかできない何かをしたい。もっと周りから注目されたい……。そんな自己実現を求める女性たちが増えている。彼女たちの憧れのひとつが、SNSでシェアされる“キラキラ起業女子”たちの華やかなライフスタイル。セミナーやコンサルティングなどのさまざまなビジネスを展開する起業女子たちの活躍を見て、「自分も起業すればこんな生活ができるかも」と、夢見るようになるのだ。
とはいえ、会社を辞めてしまうのは不安。そこで、平日は会社員として今まで通りに働き、週末だけ「自分にしかできないこと」をビジネスにしようと考える。これならあくまでも副業なので、たとえ収益につながらなくても生活に困ることはない。そんな週末起業を目指して、まずはセミナーに参加したことから、彼女たちの転落は始まっていく。
「週末起業するために30万円かけて起業塾に通った女性を知っていますが、かなり悲惨な状況でしたね……」
そう語るのは、経営コンサルタントとして活躍する田辺英理子さん(仮名)。名前を出さないことを条件に、週末起業を目指す女性たちの実態を語ってもらった。
■講座の最終日に「起業には向いていない」と通告される
都内でOLをするA美さん(30歳)は、田辺さんにコンサルティングを依頼してきた。
「A美さんの相談は、『起業塾に通ったあとにビジネスを始めたが、成果が上がらない』というもの。切羽詰まった様子で、かなり不安を感じているようでした」
A美さんが入った起業塾は、SNSでも名の知られているキラキラ起業女子が主催しており、A美さんはその女性を“コーチ”と呼んで崇拝していた。コーチから3カ月30万円の講座を勧められたA美さんは、ちょっと躊躇したものの『3カ月後には30万円稼げるようになっているから、実質タダみたいなものよ』との謳い文句に誘われ、入塾することを決めたという。
ところが、その塾で教える起業の方法というのが、メルカリで不用品を販売したり、起業女子が出版した本の読み合わせをするお茶会の開催といった、どう考えても30万円もの収益が得られるとは思えない内容だった。
「さらに講座の最終日に、コーチから『あなたは起業するにはまだ早い』と言われたそうなんです。コンサルタントをする立場からしてみると、確かにお客様の中には起業、独立に向いていないタイプはいます。ですが、本当の起業コンサルタントであれば、最初のヒアリングの時点でそれを見極め、お客様に伝えるべき。お金だけ取って、最後の最後に『あなたは起業に向いていない』というのは、もはやプロの仕事ではありません」
田辺さんがそのことを伝えると、A美さんはかなり動揺した様子だったという。その後、しばらく連絡を取り合っていたが、あるときからA美さんの連絡がプツリと途絶えた。気になってA美さんのブログを見てみると、体調不良で寝込んでいたこと、体調が戻ったのち、コーチと個別で面談したことが書かれていたという。そのブログから察するに、A美さんは、最終的に例のコーチの元へ戻ったようだった。残念に思いながらも、本人の意志で決めたことならば仕方ないと田辺さんは思っていたが、数日後、思いがけないトラブルが発生する。