Twitter界・謎のプリンス「ニャン」が独占告白! フォロワー40万超で見えた“怖い世界”!?
コンプレックスをはね返すために、Twitterという手段を選んだニャンさん。どうすれば人気が出るかを考えて、著名なツイッタラーを分析し、初期の頃はブスをディスるツイートで人気を獲得したという。しかしフォロワー数が増えていくにつれ、ブスという言葉は減り、現在の爽やかで甘いつぶやき路線に転じていく。去年の8月頃から恋愛系ツイートに特化し、そこからわずか半年で、フォロワー数は30万人を超えた。
「どんな人でも人気が出てくると、どんどん当たり前のことしかつぶやかなくなるんですよ」とニャンさんは分析する。
「40万人に囲まれてたら、もう言いたいこととか言えないっスよ(笑)。人気が出るにつれて、アンチも増えます。いまではネタで『ブス』って言っただけで、批判がすごいですね。『お前の顔で言うな』とか、毎日リプやDMで『死ね』って言ってくるやつもいるし、昔の個人的なつぶやきとか掘り返されたこともあります。Twitterって基本匿名だから、アンチの勢いもすごい。怖い世界ですよね」
フォロワーが1万人を超えると、そのアカウントは「アルファツイッタラー」と呼ばれる人気ツイッタラーの仲間入りを果たす。しかしニャンさんが語るように、Twitter上で人気が出れば出るほど、過激なアンチも増加し、多くの人はそこでつぶやくことをやめてしまうか、当たり障りのないことしか発言できなくなるのだという。それでもニャンさんはつぶやくことをやめず、Twitterが常に中心にある生活を送っているようだ。
「呟かない日は作らないって決めてて、去年の12月ぐらいまで毎日10回はツイートしてました。見てくれてる人からの『いいね』が心の安定なんで、『いいね』が少ない投稿は恥ずかしくてこっそり消してます。『7,000いいね』じゃ物足りない。『1万いいね』超えれば安心って感じ」
なんだか常にTwitterを気にして、精神衛生上よくない気もするが……。ただ、Twitterを続けてよかったこともあるようだ。当初の目標だった「モテ」を達成できたのである。
「Twitterで有名になるだけで、周りの目はびっくりするくらい変わりました。僕自身は変わってないんだけど。わかりやすいくらいにモテるようになりました(笑)。モデルの女の子から連絡が来るなんて、少し前までは考えられないようなことが起きたり、ある程度の知名度がある人と対等な立場で友人になれる。Twitterやっててよかったーと思う瞬間です」
今後の目標を聞くと、なんと今夏に初の著書の発表を控えているそう。
「今は原稿を書くのが楽しいです。僕のツイートは、コンプレックスとか、自信のなさとか、成就しない片想いとか、そういう順風満帆じゃない自分自身がいたからこそ、つぶやける言葉だと思います。それでたくさんの人が応援してくれたり、共感してくれて、Twitterという誇れるものが1つできました。だから僕みたいなやつでも、頑張って努力したら、何か変わるって思ってもらえるような存在になれたらうれしいです。これから、ユーチューバーとかにも挑戦してみたいと思ってるんですけど、顔出しするとすぐに叩かれるんで、それが怖くてなかなかできません(笑)」
40万人のフォロワーを抱える、ツイッター界のプリンス。その正体は、良くも悪くも、普通の大学生という印象だ。こうした「普通」が加工されることなく発信され、それをなんの疑いもなく受け取っていくというのが、SNSが蔓延したいまの世の中なのかもしれない。それを「なんだかなー」と思うのか、「そんなもんだ」と流していくのかはそれぞれの自由だが、私の“ときめき”は、どこの誰に向けたものだったんだろうか……。
(藤野ゆり/清談社)