KAT-TUN新番組、「有料配信」にファン抵抗感……急速なジャニーズデジタル進出の課題
2015年4月から16年3月まで放送されていたKAT-TUNの冠バラエティ『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』(TBS系)が、『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』として復活することが明らかになった。多くのファンが待ちわびた番組だが、放送は地上波ではなく動画配信サービス・「Paravi(パラビ)」に変わったため、一部でブーイングの嵐が巻き起こっている。
今年に入ってから“デジタル化”が急速に進んでいるジャニーズ事務所。タレントが登壇したイベントや会見写真がネットニュースで解禁されたほか、動画配信サイト・YouTubeには「ジャニーズJr.チャンネル」がオープンし、大きな注目を集めた。
こうした流れの中、新番組『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』は、4月1日にサービスが始まったParaviでの提供になるという。ParaviはTBS、テレビ東京、WOWOWなど計6社が共同出資しているもので、過去に放送されたドラマやバラエティの配信をはじめ、新作番組の提供も行っている。また、ジャニーズタレントの冠バラエティが動画サイトでレギュラー化するのは初の試みだという。
「Paraviはベーシックなプランでも月額925円(税込999円)がかかり、話題作や新作のレンタル作品は別途課金の必要があります。そのためKAT-TUNファンは『月1,000円は高すぎ』『有料は萎えるし、月額約1,000円は学生にキツい』などとガッカリ。現在、無料体験を実施していますが、4月末で無料期間は終わるそうなので、KAT-TUNを見るには意味がなさそう。公式サイトのトップページには、『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』の写真が大きく掲載されているので、Paraviにとってはイチオシ番組なのでしょうけが……」(ジャニーズに詳しい記者)
映像配信サービスといえば、ジャニーズでは、ジャニーズWESTがNetflixオリジナルドラマ『炎の転校生 REBORN』に出演し、昨年11月10日より全8話が一挙配信。Netflixも見放題プランは月額料金が発生するが、1カ月の無料体験中に視聴したファンも多く、“実質タダ”でドラマを楽しめる方法もあった。
しかし、今回の『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』については、そうした無料期間があてにならず、さらには支払い方法が「クレジットカード決済のみ」という点も、カードを持たない一部ジャニーズファンにとっては厳しいものとなっている。
また、番組の復活はうれしいものの「有料のネット配信じゃ、一般の人に見てもらえない」「ファン以外の人に見てもらえないのが残念」と、地上波を惜しむ声も。同番組の公式Twitterは「日本全国で見られますよ!!詳しくはParavi公式サイトで!」などと宣伝しているものの、「地上波でも放送希望」「地上波放送の検討をお願いします」「地上波テレビじゃないし、有料ですか。普通にテレビでやってくれると思ってた」と、否定的なメッセージが多く寄せられている。
「KAT-TUNは、ネット分野への参入がジャニーズタレントの中では積極的で、3月のデビュー記念日イベントにはライブ配信サービス『LINE LIVE』で生配信を行ったり、コンサートのグッズ購入に向けたスマートフォン専用アプリ『UNION Goods App』をリリースしました。これは、アプリ内であらかじめ商品を選び、発行されたQRコードを当日のレジで見せれば簡単に注文ができる仕組みですが、商品の確保・購入はできません。目新しさはあるものの、商品は結局買えないシステムとわかると、『こんなの作るなら通販対応して』と、辛らつな感想も出たほど。今回のParaviも同じく、ファンに優しいサービスを行っているように見えて、難点もあるだけに、抵抗を示すファンも少なくありません」(同)
新番組はまだ始まっていないため、ネット上ではアーカイブ配信や、視聴可能期間の疑問点、番組ごとの「都度課金」はあるのかどうか、不安を抱えているファンの声も見受けられた。Paraviに移行したからこその特典や利点があれば良いのだが……。